1995年公開の映画『ビフォア・サンライズ』。リチャード・リンクレイター監督、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー主演。未見であれば今すぐブログを閉じて、動画配信で観てほしい。お金のないジェシーがウィーンのBARで赤ワインを譲ってほしいと頼む。
粋なバーテンダーはジェシーに一本の赤ワインを渡す。その夜、公園でふたりは結ばれる。だから赤ワインを使ってジェシーとセリーヌに捧ぐビフォア・サンライズのパスタを作りろう。
ビフォア・サンライズの赤ワインパスタ
赤ワインといえばボロネーゼなどの臭み消しに脇役として使われるが、主役にもなる。ブドウの旨味が詰まっている赤ワイン。びっくりするほど簡単に、びっくりするほど旨いパスタ。
ビフォア・サンライズのパスタの材料
- バリラ1.6mm:100g
- 赤ワイン:150〜200ml
- 玉ねぎ:1/2個
- ニンニク:2片
- カルピス社のバター:20g
- パルミジャーノ・レッジャーノ:たっぷり
- 黒胡椒:お好きなだけ(無くてもOK)
パスタはなんでもよし。細麺でも太麺でも。ただし安い麺じゃなくイーサン・ホークのようなイケ麺で。赤ワインもなんでもいい。映画に合わせ「サンライズ」という名前のパスタを買った。チリ産でイトーヨーカドーにも800円くらいで売っている。玉ねぎはネギでもいいし、無くても良い。実は赤ワインより重要なのがチーズ。赤ワインだけだと旨味が足らず片手落ち。逆にチーズとフュージョンすることで信じられないほどのパワーを発揮する。お酒好きならチーズとワインがどれほど相性がいいかわかるだろう。まさにジェシーとセリーヌ。
ビフォア・サンライズのパスタのレシピ
- 玉ねぎとニンニクをざっくり切る
- オリーブオイルで弱火で炒める
- パスタを2分短く茹でる
- 変色したら具材を取り出す
- 赤ワインを入れて中火で煮る
- パスタを入れて2分間茹でる
- 玉ねぎ、ニンニク、バターを入れる
- 火を止めてチーズを削る
- 皿に盛って追いチーズで完成
ニンニクは大きめに切る。なんなら潰すだけでもいい。玉ねぎも超テキトーに大きめにカットする。
オリーブオイルを入れてニンニク、玉ねぎを弱火で炒める。塩を全体に振る。ニンニクの香りをオリーブオイルに移し、玉ねぎをしんなりさせることが目的。
玉ねぎに焼き色がついてしんなりし、ニンニクの香りがオイルに移ってボディビルダー色になるまで炒める。
具材は取り出してニンニクの香りが移ったオリーブオイルを残す。ここでパスタを2分短く茹ではじめる。
赤ワイン200mlを入れて中火で煮る。塩、胡椒をひとつまみくらい入れる。
2分短く茹でたパスタを入れて2分間、中火で煮詰める。
2分経ったら玉ねぎ、ニンニクの具材を戻し、バターを20g入れて熔かす。
バターが熔けたら火を止めてチーズを削る。写真の量は少なすぎ。雪原を作るくらい真っ白に染める。
お皿に盛ったらチーズの大雪を降らせる。写真の量は少ない。もっともっとチーズを削りまくってジェシーとセリーヌの出逢いを祝福する。
赤ワインと玉ねぎのパスタの食材
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赤ワインと長ネギのショートパスタ
赤ワインのパスタはショートパスタでも美味しい。今度はシャキシャキの長ネギで。
夜明けを迎えるのにピッタリ。ふたりの短く永遠の幸福にショートパスタ。
赤ワインと長ネギのパスタの材料
- リガトーニ:100g
- 赤ワイン:150〜200ml
- 長ネギ:1本
- ニンニク:1片
- カルピス社のバター:20g
- パルミジャーノ・レッジャーノ:たっぷり
ショートパスタはなんでもよし。リガトーニでもペンネでもフジッリでも。今回は焼きネギを作る。写真に入れ忘れたがニンニクは必須。
赤ワインと長ネギのパスタのレシピ
- 長ネギを食べやすい大きさに切る
- 長ネキを中火で炒める
- ショートパスタを3分短く茹でる
- 長ネギが焼けたら取り出す
- ニンニクを色づくまで炒める
- 赤ワインを入れて中火で煮る
- ショートパスタを入れて3分間茹でる
- 長ネギ、ニンニク、バターを入れる
- 火を止めてチーズを削る
- 皿に盛って追いチーズで完成
長ネギを大きめに切る。白い部分は斜め切りで、青いい部分は円筒に。リガトーニは14分茹でなので11分茹でる。
長ネギを中火で焼く。焼きすぎ注意。今回、見事に失敗した。でも反面教師として使う。それがパスタの聖書。
焦がしすぎた長ネギの夢の跡。焦がしすぎるのは恋だけでいい。グシャっと潰したニンニクをオリーブオイルで弱火で炒める。色づいたら取り出す。
赤ワインを入れて鍋底の焦げを木べらで取る。
3分早く茹でたリガトーニを入れて残りの3分間を茹でる。
3分茹でたら長ネギ、ニンニクを戻してバターも加える。
バターが溶けて全体に混ざったら火を止めてからチーズをたっぷり削る。
皿に盛って追いチーズ。シャキシャキで香ばしい長ネギ、赤ワインの風味、チーズのコク。無敵のパスタ完成。
ミルクセーキの卵白カルボナーラ
『ビフォア・サンライズ』で赤ワインと並ぶ重要な飲みものがミルクセーキ。ジェシーとセリーヌが宿無し詩人に声をかけられ「僕の詩が人生を彩ったら金をくれ」と言われる。ふたりが指定したキーワードが「ミルクセーキ」。ミルクセーキを使って詩を作る。タイトルは「白昼夢の妄想」
長すぎる まつげ その美しい顔
グラスに涙をそそぎ
その大きな瞳で 僕の心を読んで
君は甘いケーキ ミルクセーキ
僕は迷える天使 幻想のとりこ
僕の本当の思いを知っておくれ
僕はどこから来て どこへ行くのか
漂う人生 川面の枝のように
流れのまま浮いていく
僕は君を 君は僕を導く
それが僕の望み
君はまだ僕を 分からないのかい
ミルクセーキのカルボナーラの材料
- 生パスタ:120g
- ベーコン:40g
- 卵白:1個
- パルミジャーノ・レッジャーノ:20gくらい
- 黒胡椒:たっぷり
- ミルクセーキ:50ml
パスタはなんでもOK。家に余っていた生パスタを使っただけ。ベーコンはパンチェッタでもグアンチャーレでもよし。今回は卵黄を使わないカルボナーラ。卵黄はミルクセーキを作るのに使い、余った卵白でカルボナーラにする。ランパクだけなら淡白で物足りないかと思いきや、歴代のカルボナーラの中でも上位に入る。
ミルクセーキの材料
- 牛乳:200ml
- 卵黄:1個
- 砂糖:大さじ1
- バニラエッセンス:5滴
新宿中、探し回ったがミルクセーキが売ってなかったので自作。市販で手に入るならそれでOK。ただし自分で作ってほうが超簡単で超美味しい。
ミルクセーキのカルボナーラのレシピ
- 卵黄、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを混ぜる
- ミルクセーキと卵白にチーズを混ぜる
- ベーコンを適当に切る
- ベーコンをオリーブオイルで炒める
- パスタを茹ではじめる
- 茹でたパスタをベーコンの脂と混ぜる
- 卵白ミルクセーキを混ぜる
- 胡椒をたっぷりヌートバー
- お皿に盛って追いヌートバー
最初にミルクセーキを作る。スタンバイOK。
卵黄1個、牛乳200ml、砂糖を大さじ1、バニラエッセンス5滴くらいシャカシャカする。
めっちゃ美味しい。めっちゃ麗しい。50mlだけとって後は卵白カルボナーラと一緒に飲む。
卵白にミルクセーキ50mlを入れ、チーズをたっぷり削る。
こんな感じでサラサラになるまで混ぜる。
ベーコンをテキトー・オブ・テキトーに切る。
オリーブオイルを引いて弱火で炒める。パスタを茹でる。
ベーコンをカリカリにするのが目的ではなく、ベーコンの脂をたっぷり引き出すため。ラーメンでいう出汁。弱火でじっくり引き出す。
ベーコンの美味しい出汁に茹でたパスタを混ぜる。まずはパスタ全体に出汁を染み込ませる。
卵白ミルクセーキのソースを入れて素早く混ぜる。ボソボソになってきたら茹で汁を混ぜればいいので焦るべからず。
火を止めて胡椒をたっぷりヌートバー。
皿に盛って追いヌートバー。最高の美味、最高の夜明けが待っている。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。