せっかくパスタの道を歩むならイタリアに行けなくても本国の文化は学びたい。今日紹介するのは南イタリアのカンパーニャ州はアマルフィの郷土パスタ。イタリア語で「スパゲッティ・アッラ・コラトゥーラ・ディ・アリーチ」。アナウンサーの練習に使えそうなメニューでしょ。チャコの海岸物語ならぬ、アマルフィの海岸物語。桑田佳祐も絶対ハマる美味しさ。
コラトゥーラとは
主役は舌を噛みそうになる「コラトゥーラ・ディ・アリーチ(colatura di alic)」
コラトゥーラ(colatura)とは「魚醤」、ディ(di)は「〜の」、アリーチ(alic)は「カタクチイワシ」。日本語に訳すと「カタクチイワシの魚醤」。カタクチイワシってなんやねん?と思う人も多いが、パスタの聖書でも頻繁に登場する「アンチョビ」はカタクチイワシの塩漬け。
コラトゥーラはカタクチイワシを塩に漬け発酵させた調味料。世界一美しい海岸と呼ばれるアマルフィ海岸にある漁師町「チェターラ」で作られる。カタクチイワシは毎年3月から7月に水揚げされたものに限定。ひとつの樽から200本しか 抽出できない。イワシの旨味や匂いが強く、魚醤の王様。
ガルム(魚醤)との違い
イタリアの魚醤といえば、古代ローマ帝国時代からある「ガルム」が有名。カタクチイワシのみを使うコラトゥーラに対し、ガルムはサバ、マグロ、カツオ、イワシ、カタクチイワシなど脂がのった小魚の内臓を使う。コラトゥーラが果汁100%、ガルムが野菜ジュースのようなもの。ただしコラトゥーラの先輩にあたる。イタリア人シェフのマルコさんはより濃厚な点で、パスタにはコラトゥーラを勧めている。
他の魚醤との違い
日本三大魚醤は秋田の「しょっつる(ハタハタやイワシ)」、能登の「いしる(イワシやイカの内臓)」、香川の「いかなご(イカナゴ)」。色んな魚が使われる。タイの魚醤ナンプラーも色んな魚があるが、コラトゥーラと同じカタクチイワシが使われることが多い。
コラトゥーラ(魚醤)のパスタ
まずは王道スタイル、ジャイアント馬場さんのコラトゥーラ(魚醤)のパスタ。爽やかな海岸の波を感じる。イタリアンパセリだけが寂しいひとはレモンなど添えるとオシャレ。夏はパスタを冷水か氷水で締めて冷静コラトゥーラにしてもいい。
コラトゥーラ(魚醤)のパスタの材料・食材
- ガロファロ1.5mm:100g
- EVオリーブオイル:大さじ2
- コラトゥーラ:大さじ1
- 青森県産のニンニク:1片
- カラブリア産の唐辛子:1本
- イタリアンパセリ:少量
食材に火を通さないので、とにかく良い食材を使うこと。主役のコラトゥーラはもちろん、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子も足を引っ張らないように。オリーブオイルはピュアではなく風味がしっかりしたエクストラバージンで。
コラトゥーラ(魚醤)のパスタの作り方・レシピ
- パスタを表示時間通り茹でる
- ニンニク、イタパセをみじん切りにする
- ボウルに切った食材と唐辛子を入れる
- オリーブオイル、コラトゥーラを混ぜる
- 茹でたパスタを入れてよく混ぜたら完成
ただボウルで混ぜるだけ。「舐めてんの?」って言われるくらい簡単な手抜き料理。
シンプルであるほど美味いのがパスタ。米にぎって魚のせる鮨と同じ。シンプルであるほど技量に差が出る。生のニンニク、コラトゥーラなど強烈な個性のオンパレード。パンチ効きまくり、ボクシングのようなパスタ。喧嘩しないように分量は気をつけて。以前紹介したカレッティエラにコラトゥーラを足したもの。ぜひ食べ比べてほしい🎶
↓コラトゥーラ(魚醤)のパスタの食材↓
ブロッコリーとコラトゥーラ(魚醤)のパスタ
具材がないと物足りないという贅沢なアントニオ猪木さんはブロッコリーがおすすめ。「ブロッコリー苦手やねん」という人も大丈夫。めっちゃ茹でてコラトゥーラの味が強いので、ブロッコリーの匂いは消える。GReeeeNのキセキが起きるので作って欲しい。
ブロッコリーとコラトゥーラ(魚醤)のパスタの材料・食材
- ガロファロ1.5mm:100g
- EVオリーブオイル:大さじ2
- コラトゥーラ:大さじ1
- 青森県産のニンニク:1片
- カラブリア産の唐辛子:1本
- ブロッコリー:250g(写真の半分)
先ほど紹介した王道スタイルの材料のイタパセをブロッコリーに変えた。あと間違い探し的に気づいた方は鋭いが、オリーブオイルをカネナのピクアル種からアルベキーナ種に変えている。アルベキーナのほうがマイルドでクセがないので、コラトゥーラやブロッコリーの旨味を邪魔せず援護射撃する。偉そうに言っても利きオリーブオイルをやれば絶対に分からないので気分の要素が強いが、パスタ作りは気分上々↑↑のmihimaru GTで作るもの。ブロッコリーの緑とも白のボトルがコントラストになっている。
ブロッコリーとコラトゥーラ(魚醤)のパスタの作り方・レシピ
- ブロッコリーを食べやすい大きさにカット
- パスタを表示時間通り茹でる
- パスタが茹で上がる6分前にブロッコリーも投入
- ニンニクをみじん切りにする
- ボウルにニンニクと唐辛子を入れる
- オリーブオイル、コラトゥーラを混ぜる
- 茹でたパスタとブロッコリーをよく混ぜたら完成
ガロフォロの1.5mmにしたのは茹で時間が6分なので、パスタと一緒にブロッコリーを鍋に放り込める。かなりクタクタになるので、ちょっと硬めのブロッコリーが好きな人は3分前に入れるなど調整しましょう。コラトゥーラとブロッコリーの異種格闘技戦をお楽しみください。1、2、3、ダァーーーー!!
↓↓コラトゥーラ(魚醤)のパスタの食材↓↓
コラトゥーラが活躍する他のパスタ
イワシの缶詰パスタ
イワシの缶詰パスタ。コラトゥーラの故郷シチリアではイワシの缶詰を好んで食べる。
キムロンチーノ
ペペロンチーノとキムチを合わせたパスタ。隠し味のコラトゥーラが大活躍する。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。