数ある日本の歌の中で最も素晴らしい歌詞のひとつが『朧月夜』
菜の花畠に 入日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて におい淡し
作詞は高野辰之。「兎追いし」の『故郷』の作詞家でもある。春の風物詩として鑑賞される菜の花。ペペロンチーノにすると、たまらなく美味しい。
菜の花とパスタの物語
春の訪れを告げる花野菜「菜の花」。ハクサイ、ダイコン、キャベツと同じアブラナ科の花。ビタミン豊富で菜種油の原料としても使われる。開花は12月から3月。寒咲花菜(かんざきはなな)とも呼ばれる。ほろ苦い味が特長なのでカルボナーラやポモドーロ(トマト)よりペペロンチーノに合う。
菜の花とベーコンのペペロンチーノ
まずは王道のペペロンチーノから。ベーコンを使ったけど、無くてOK。冷蔵庫に余っていたので一緒に炒めた。
菜の花のペペロンチーノの材料
パスタはなんでもいいけど、オイルベースなのでツルツルしたバリラの食感がおすすめ。太麺でもよき。菜の花の量もお気に召すまま。縮むので多めでも大丈夫。こだわりはカラブリア唐辛子。
菜の花のペペロンチーノのレシピ
レシピが違い過ぎて紹介するのも恐縮だが、参考にしたのはマルコさん。マルコさんは太麺でパスタが茹で上がる3分前にアルミパンで煮るなど大きく作り方が違う。
- ニンニクみじん切り、ベーコン短冊切り
- 菜の花は茎と葉に分け、茎をスライス
- パスタを茹ではじめる
- ニンニク、唐辛子、ベーコンを炒める
- 2分前に茎もパスタと一緒に茹でる
- フライパンに茹で汁を入れて菜の花を炒める
- 茹でたパスタを混ぜる
- 皿に盛ってオリーブオイルを回しかける
ニンニクをみじん切り、ベーコンを短冊切りにする。菜の花は茎と葉に真っ二つに分け、茎を食べやすいようにスライスにする。菜の花の茎はもともと柔らかいので面倒くさかったらスライスしなくてもOK。
アルミパンでニンニク、カラブリア唐辛子をオリーブオイルで炒める。ベーコンは窓際族でスタンバイ。最初は強火で炒め、オイルが沸騰したら弱火にしてベーコンと混ぜる。ベーコンは火力が強いとバッチバチに跳ね、フライパンにこびりつく。
パスタが茹で上がる2分前に菜の花の茎をパスタと一緒に茹でる。菜の花は火が通りやすい花野菜なので、1分茹でるだけで茎でも柔らかくなる。
パスタが茹で上がる残り1分前に茹で汁をレードル1杯(50cc)入れる。
菜の花を炒める。火力は中火くらいで。
茹でたパスタをグルグル混ぜる。
お皿に盛ってオリーブオイルをトリプルアクセル。
↓菜の花のペペロンチーノの食材・道具↓
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菜の花とアンチョビのペペロンチーノ
続いてはワンパンの菜の花のペペロンチーノ。ポイントはチーズ。菜の花の苦味、ペペロンチーノの辛味と曲者のレシピを仲裁する。薩長同盟の坂本龍馬のような存在。
菜の花のペペロンチーノの材料
材料に関しては最初に紹介したものと以下同文。個性のあるパスタが好きな人はアンチョビ2フィレのほうがよし。ちなみにワンパンはテフロンダイスが良いとファビオさんやリュウジさんが言うが、正直どちらでも良い。言われずに出したら絶対にわからない。鳥羽シェフはブロンズダイスを使うので、マジでどちらでもいい。
菜の花のペペロンチーノのレシピ
同じく違い過ぎて紹介するのが恐縮だが、参考にしたのはファビオさん。ファビオさんはニンニクは潰すだけ。蓋をして蒸す。面倒くさいので違うやり方でさせてもらった。
- ニンニクみじん切り
- 菜の花は茎と葉に分け、葉先を残す
- パスタを茹ではじめる
- ニンニク、唐辛子を炒める
- 菜の花の葉先以外を炒める
- 塩を振ってアンチョビを混ぜる
- 塩、水を入れてパスタを茹でる
- 水分がなくなったら葉先を入れる
- 皿に盛ってオリーブオイルを回しかける
- チーズを削って完成
ニンニクはみじん切り。菜の花はざっくり切って、葉先だけ飾りに残す。結局、チーズで隠れるので無くてもいいかも。見栄えにこだわる人は真似してください。
アルミパンでニンニク、唐辛子を炒める。最初は強火で、沸騰したら弱火で。
ニンニクがボディビルダー色になってきたら葉の花を葉先以外、全部入れる。火力は弱火でOK。
菜の花の絶対に塩を振ってアンチョビを入れて混ぜる。
菜の花がクタクタになればOK。
水300cc、塩3つまみ入れてパスタを茹でる。
水分がなくなったら菜の花の葉先を入れて混ぜる。
お皿に盛ってオリーブオイルを回しかけ、チーズを削る。
↓菜の花とアンチョビのペペロンチーノの食材・道具↓
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菜の花とホタルイカのペペロンチーノ
菜の花とホタルイカ。春満開、全力、全速力のペペロンチーノ。ホタルイカの下処理をすればお店で出せるレベル。
菜の花のペペロンチーノの材料
- バリラ1.4mm:100g
- 菜の花:100g前後(お好きな量)
- ニンニク:2片
- カラブリア唐辛子:2本
- コラトゥーラ:小さじ1(醤油でも可)
- 赤ワイン:30ml(料理酒でもOK)
- ホタルイカ:8〜10杯(お好みで)
- イタリアンパセリ:適当
- オリーブオイル:仕上げ
ポイントはイタリアの魚醤コラトゥーラ。無ければ鮎の魚醤や普通の醤油でもOK。赤ワインは臭み消しに使うので、白ワインや料理酒でもいい。家に赤ワインが余っていたので使った。イタリアンパセリは無くてもいいけど、あったほうが爽やかになる。
菜の花のペペロンチーノのレシピ
何から何まで違いすぎて紹介するのも恐縮だが、創作の参考にしたのは小倉シェフ。本当はホタルイカの眼、くちばし、背骨を取る下処理をする。臭みがなくなる。でも面倒くさいのでワインで誤魔化す。ホタルイカは熱を入れすぎると旨味が逃げるのでタブーなのだが、いかんせん面倒くさい。また、小倉シェフは事前にホタルイカをマサラ酒とコラトゥーラに漬けておく。それも面倒くさいのでオリジナルにさせてもらった。
- ニンニクは粗く、イタパセは細かく
- 菜の花を一口大に4等分にする
- ホタルイカを赤ワインで煮詰める
- パスタを茹ではじめる
- ニンニク、唐辛子をオイルで炒める
- 残り2分でホタルイカを炒める
- 残り1分で菜の花をパスタと茹でる
- 茹でたパスタ混ぜて塩味を調整する
- 火を止めてイタパセ、オリーブオイルをかける
- 皿に盛って追いオリーブオイル
ニンニクは粗く切る。なんなら潰すだけでOK。左手は添えるだけ。イタリアンパセリは細かく切る。このとき茎は捨てない。日本のイタリアンパセリの茎は柔らかくて美味しいので捨てるべからず。菜の花は食べやすい大きさにする。どんな形でもOK。
フライパンを温めてホタルイカを入れて赤ワイン30mlを入れてアルコールが飛ぶまで炒める。臭みをとる。アルミパンを洗わないといけないし、ホタルイカの旨味が少し飛ぶので、もともと臭みが気にならない人は、この工程は無しでOK。
アルミパンを洗ってニンニク、唐辛子をオリーブオイルで炒める。最初は強火で。沸騰したら極弱火で焦がしていく。
パスタが茹で上がる2分前にホタルイカを入れる。ここでコラトゥーラを小さじ1。
パスタが茹で上がる1分前に菜の花を入れて一緒に茹でる。
パスタが茹で上がったら、あまり湯切りをせずにアルミパンへダイブ。グルグル混ぜたらパスタの味を見て、薄ければ塩を足す。
味が決まったら火を止めてイタリアンパセリ、オリーブオイルを回しかける。火が入ると風味が飛ぶので、消化してから。
お皿に盛ったら追いオリーブオイル。
↓菜の花のペペロンチーノの食材・道具↓
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菜の花のペペロンチーノ(ショートパスタ)
最後はショートパスタの菜の花ペペロンチーノ。クタクタに煮込むイタリア式。味ではナンバーワン級。大トリにふさわしい北島さぶちゃん。祭りだ祭りだ。菜の花まつり。
菜の花のペペロンチーノの材料
- ショートパスタ:100g
- 菜の花:200g(1パック)
- ニンニク:2片
- カラブリア唐辛子:2本
- オリーブオイル:仕上げ
- アンチョビ:1フィレ
ショートパスタはなんでもOK。今回は貝殻の形をしたコンキリエを使った。相性最強。菜の花は多すぎるように思うけど、クタクタに煮込んだらめちゃくちゃ縮む。恐るべからず。迷わず煮込め、煮込めばわかるさ。
菜の花のペペロンチーノのレシピ
参考にさせてもらったのは日高シェフ。いつも最高のパスタありがとうございます。
- 菜の花を水洗いする
- パスタを茹ではじめる
- ニンニクみじん切り
- 菜の花は真ん中で真っ二つ
- ニンニクを炒める
- アンチョビ、唐辛子を炒める
- 茹で汁を入れて火を止める
- 6分前に菜の花をパスタに入れる
- 茹でたパスタと菜の花をアルミパンへ
- 皿に盛ってオリーブオイルを回しかける
菜の花を水洗いするとシャッキっとする。日高良美シェフ。
菜の花は真っ二つ。なんという潔さ。パスタも茹でておく。
みじん切りしたニンニクを炒める。最初は強火で、沸騰したら極弱火で。
ニンニクがボディビルダーに日焼けしてきたら唐辛子とアンチョビを入れる。
ニンニクが焦げないように火を止めて茹で汁を50cc(レードル1玉)入れる。
パスタの茹で時間が残り6分前になったら菜の花を全部入れる。なんなら10分前から入れておいてもいい。イタリアでは20分くらい茹でるとか。
茹でたパスタと一緒によく混ぜる。
お皿に盛ってオリーブオイルを回しかける。
菜の花のペペロンチーノ(ショートパスタ)の食材・道具
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その他のペペロンチーノも作ってみよう
最後までご覧いただき、あリガトーニ。