トマトパスタ、オイルパスタなどと並ぶ人気が「クリームパスタ」。トマトソースが醤油ラーメンなら、オイルソースは塩ラーメン、そしてクリームソースが味噌ラーメンといったところ。生クリームをソースに加えることで、なめなかな食感、軟らかい口当たり、豊かな風味がプラスされる。
クリームパスタの魅惑
クリームパスタはイタリア語では「アッラ・パンナ(allla panna)」。alllaは「〜で」、pannaが「生クリーム」。よく聞くパンナ・コッタはイタリア語でpanna(パンナ)が生クリーム、cotta(コッタ)が「火を通した」という意味。みんなに愛されるクリームパスタを紹介する。
クリームパスタは円を描くように混ぜる
クリームパスタを作るとき、生クリームとパスタを絡めるときは円を描くようにグルグル混ぜる。「魔法陣グルグルに輪舞」が美味しさのコツ。鍋は振らなくていい(楽しいから振るけど)。混ぜるときはゴムヘラがおすすめ。
クリームパスタは圧倒的にソースが主役。麺が脇役に回る。だからソースの存在感が全開で出るようにグルグル混ぜて麺に絡ませコーティングする。
生クリームとは
そもそも生クリームとは、牛乳から作られる乳製品の一種で、脂肪分が豊富なクリームのこと。牛乳から脱脂したあと、残った乳脂肪を濃縮し、乳化剤を加える。生クリームは、重量に対して30%以上の脂肪分を含むものを指し、10〜30%程度の脂肪分は「半生クリーム」と呼ばれる。
生クリームの歴史
生クリームの発祥はハッキリしておらず、17世紀のフランスである説が高い。いずれにせよ、パスタに使われたのも17世紀以降。トマトソースとほぼ同時期になる。日本では1924年に東京・新橋で牧場を営んでいた「中沢乳業」が業務用生クリームの生産を開始し、一般家庭には冷蔵庫が普及した1950年くらいから生クリームが使われるようになったと言われる。
生クリームの47と42と35の違い
スーパーに行くと生クリームは2種類あることが多く、パッケージに「35」や「47」などの数字が書いてある。両者の違いは脂肪分の含有量。生クリーム35は、100グラム中に35グラムの脂肪分が含まれているものを指す。脂肪分が多い47の生クリームは、濃厚でコクのある味わいが特徴。一方、脂肪分が少ない生クリーム35は軽い口当たりや風味がある。要は好みの違いで、どっちでもOK。値段は47のほうが高い。
ホイップクリームとの違い
一度、生クリームとホイップクリームを間違えて買ってパスタに使ったことがある。すぐに固まってしまい失敗した。ホイップクリームは、生クリームに比べて脂肪分が低く10〜30%程度の脂肪分。前述した「半生クリーム」がホイップクリーム。生クリームは濃厚で脂肪分の高いクリーム、ホイップクリームは泡立てられて軽くなり、脂肪分が低く甘みを加えたもの。
生クリームと牛乳の違い
生クリームの代わりに牛乳を使うときもあるだろう。生クリームは牛乳から濃縮して作られるクリームで、30%以上の脂肪分を含む。一方の牛乳は、生乳から加熱処理や濾過処理を施したもので、脂肪分は3.6%以下。水分量が多いのでシャバシャバになる。
おすすめのクリームパスタ
おすすめのクリームパスタを紹介。ぜひ生クリームの魅力を堪能してほしい。
マシュルームのクリームパスタ
ど直球のアラ・パンナ。藤川球児の火の玉ストレート。そこにキノコを加えたもの。バターとチーズも使うが、クリームパスタの魅力を知るには最高。まずはお試しあれ。
キノコのトリュフクリームパスタ
AIが考案した「世界一美味しいパスタ」。白トリュフオイルを大胆に使い、ワンランクもツーランクも上に。家庭で生まれる貴族のパスタ。
マッシュルームの炊き込みカルボナーラ
言葉は不要。ただ作るべし。あなたのカルボナーラ観が変わる。
トマトクリームパスタ
生クリームの相棒、トマトとマリアージュしたクリームパスタ。トマトの酸味に生クリームの甘味、コクが加わることで旨味がかけ算される。醤油味噌ラーメンみたいな。
ゴルゴンゾーラのクリームペンネ
クリームパスタで最も美味しいのは間違いなく「ゴルゴンゾーラのクリームペンネ」。パスタの中でも最も簡単に作れる種類なのに異常な美味しさ。生クリームをフライパンで熱してチーズを入れるだけなので技術いらず。ぜひ、絶対に試してほしい逸品。
カルボアラビアータ
最後は、カルボナーラとアラビアータをフュージョンした「カルボアラビアータ」
辛さと甘さ、陰と陽、ベジータと悟空が合わさったときの美味しさは凄いので、ぜひ作ってみてください🎶
生クリームを使わないクリームパスタ(ブールマニエ)
生クリームなしでもクリームパスタを作る方法をご存知だろうか?3つの材料だけで簡単にクリームパスタが作れてしまう。
- バター:10g
- 小麦粉:小さじ2(10g)
- 牛乳:200ml
バター、小麦粉(薄力粉)を同じ分量だけ混ぜる。フランス料理で「ブールマニエ」という。知っておけば超簡単なのに超オシャレ。フランス語で「ブール」はバター、「マニエ」は練る。これを牛乳を混ぜて加熱するだけでクリームパスタが作れる。
ブールマニエのパスタの材料
ワンパンパスタなので麺は細麺がおすすめ。太麺だと時間がかかり、少し麺がボロボロになる。ナツメグはあれば上品な味に仕上がるのでおすすめ。なくてもコショウ多めでカバーできる。ヌートバーがカバーした侍ジャパンと同じ。
ブールマニエのパスタの作り方
- バターを電子レンジで20秒チン
- 同僚の小麦と混ぜて練り込む
- フライパンで水とコンソメを沸かす
- パスタを表示時間より1分少なく茹でる
- 水分が飛んだら牛乳を入れて沸かす
- ブールマニエを入れて煮る
- ナツメグを3振りする(あれば)
- 皿に盛って胡椒をヌートバー
レシピはリュウジさんを参考。虚無シリーズ。このレシピをベースにチーズを削り入れたり、ベーコンを焼いたりと具材をプラスしても美味しい。
バターを600w20秒ほどレンチンし、小麦粉と混ぜ混ぜ。
こんな感じで固形の手前の液状になればOK。このまま放置しておく。
フライパンに水300mlを入れてコンソメを小さじ2入れて沸かす。
強火で一気にパスタを茹でる。ワンパンパスタのことをイタリア語ではリゾッタータと呼ぶ。
水分が飛び切ったらOK。少々、汁が残っても大丈夫。
牛乳200mlを入れて沸騰させて茹でる。
沸騰したら先ほど作ったブールマニエを全部入れる。
続けてナツメグを3振り。もっと振っても美味しい。
即席クリームが少なくなったら鍋を振りまくって混ぜる。マンテカトゥーラ。
お皿に盛ったら胡椒をたっぷりプリンセスプリンセスくらい挽く。そんなに!?と引くくらい挽く。それが胡椒の掟。
このブログでは、その他にもクリームパスタを作り続けています。ぜひ、下のブログも読んでみてください。
↓小倉知巳シェフおすすめの生クリーム↓
最後までご覧いただき、あリガトーニ。