オリーブオイルを使わない北イタリアの冬のファンタジー。シェフのファビオさんによると、北イタリアはオリーブオイルよりバターを使うほうが多い。超簡単なのに超美味しい。超シンプルなのに超奥深い。それがパスタの不思議。トマトクリームパスタはスパゲッティのファンタジア。
- トマトクリームパスタには「タリアテッレ」
- トマトクリームパスタ(トマトペースト)
- トマトクリームパスタ(ワンパン)
- 究極トマトクリームパスタ
- トマトクリームパスタ(ショートパスタ)
- 牛肉トマトクリームパスタ(ショートパスタ)
- 虚無トマトクリームパスタ(ワンパン)
- 冷凍、レトルトのトマトクリームパスタ
トマトクリームパスタには「タリアテッレ」
北イタリアのパスタ(麺)といえば「タリアテッレ(Tagliatelle)」。イタリア語で「切る」を意味する「tagliare」から由来し、細長いリボン状の平打ち麺。それって「フェットチーネじゃねえの?」と思った方はパスタ通。フェットチーネはローマなどの南部で使われ、タリアテッレより少し幅も広く太い。
北イタリアの宝石タリアテッレの発祥
タリアテッレの生まれは北部のボローニャと言われており、北イタリアではボロネーゼにはスパゲティではなく、タリアテッレを使う。南部の平打ち麺が「フェットチーネ」、北イタリアの平打ち麺が「タリアテッレ」と覚えておこう。
トマトクリームパスタを作るときのコツ
トマトクリームパスタを美味しく作るコツは「トマトソースを多くしすぎない」。何のためのトマトパスタやねんと思うが、パスタは科学。トマトクリームパスタは生クリームやチーズやバターなどの旨味を足し算していく。トマトの量が多すぎると、グルタミン酸が強すぎて、他の旨味を潰してしまう。トマトの量は限界ギリギリの聖域を守る。
トマトクリームパスタ(トマトペースト)
まずはトマトペーストを使って作るトマトクリームパスタから。バターと生クリームの相性が最高。ぜひお試しあれ。
トマトクリームパスタの材料
- タリアテッレ:100g
- トマトペースト:15g
- カルピス社のバター:20g
- 生クリーム:100cc
- グラナパダーノ:20g
ホールトマトでやると、トマトを詰めるのに時間がかかって加減が難しい。すでにトマトを濃縮させているトマトペーストがおすすめ。トマトペーストは塩が入っているので無塩バターでいいと思いきや全然足らない。塩っ気が苦手な方は無縁坂のバターで。クリームの脂肪分は47でも35でもOK。濃いめが好きか、あっさりが好きかの違い。ローランドみたいなもの。仕上げのチーズはあったほうがいいっす。トマトクリームパスタだけでも超美味しいけど、その美味しさを見事に援護射撃、バイキルトします。
トマトクリームパスタのレシピ
- フライパンにバターを溶かす
- トマトペーストを入れて炒める
- グラナパダーノを削っておく
- 生クリームを加えて少し煮る
- 茹でたパスタを混ぜる
- 火を止めてチーズを混ぜる
- 皿に盛って追いチーズ
バターを溶かす。味の決め手となるので良いバターを使おう。
トマトペーストを注入。しっかりバターとマリアージュする。ちなみに、この美しいミルキーなフライパンはBallariniのヴェネツィア。クリームパスタのときだけ使う。
火力は弱くてOK。しっかりバターとトマトペーストを混ぜきる。
この間にチーズを削っておく。削ったチーズと粉チーズでは風味がWBCと草野球くらい違う。チーズグレーターでしっかり削る。
トマトペーストとバターが混ざったら生クリーム登壇。火力は弱火から中火。煮詰めすぎない。生クリーム系は火を入れすぎると、ソースが重くなってモタっとしてしまう。
しっかり絡まってソースが完成したら火を止める。再び火の呼吸はパスタが茹で上がってから。
パスタが茹で上がったら魔法陣グルグルでしっかり混ぜる。愛を込めてマンテカトゥーラ。
削ったチーズを入れるときは火を止める。チーズは火が入ると風味が飛ぶ。
お皿に盛ったあともチーズを削る。写真よりもっと多いほうがベスト。せっかく北イタリアの冬のパスタを作るのだから、グラナパダーノの豪雪地帯にしよう。カズンにも食べてほしい冬のファンタジーをお試しあれ🎶
↓↓トマトクリームパスタの食材↓↓
トマトクリームパスタ(ワンパン)
トマトクリームパスタはワンパンでも作れる。フライパンでパスタを煮込むリゾッタータ。材料と手順を意識すれば簡単に美味しいパスタが作れる。
トマトクリームパスタの材料
- ガロファロ1.7mm:100g
- コッポラ社のトマトソース:100ml
- 生クリーム:75ml
- バジルの葉:飾り付け用1枚
- コンソメ:小さじ1
- カルピス社のバター(有塩):20g
- 水:250cc
パスタの種類は細麺でも太麺でもOK。お好みで大丈夫。ただし、トマトクリームのソースが濃厚なので、あまり細麺は向かない。ソースに負けてしまう。トマトソースもトマト缶でOK。バジルの葉は飾り付けがメインだけど、味にアクセントが加わるので絶対にあったほうがいい。バジルを乗せないなら、ベーコンや玉ねぎなど、他の食材を最初に焼いたほうがいい。生クリームの量も適量でOK。もっとクリーミーにしたければ多くてもいいし、トマトの旨みを活かしたかったら量を減らしてOK。写真に入れ忘れたが、バター(有塩)とコンソメは必須。トマトと生クリームだけではワンパンにしたとき、旨味が減ってしまう。それでもアクセントが足らなければ黒胡椒をヌートバーしよう。
トマトクリームパスタのレシピ
- トマトソースを煮詰める
- 水250cc加えて沸かす
- コンソメと塩を入れる
- パスタを投入する
- 生クリームを入れる
- バターを入れる
- お皿に盛ってバジルを飾る
フライパンにトマトソース100mlをぶち込んで煮る。ポコポコ沸騰してきたら水250ccを加え、コンソメ小さじ1、塩ひとつまみを入れる。
沸騰したらパスタを入れる。たまにかき混ぜならが煮ていく。火力は中火から強火。
思ったより早く煮汁がなくなったら水を足す。最初から多めに入れるのはNG。シャバシャバになってしまう。最初は250ccにして後から足す。
パスタが茹で上がる1分前くらいに生クリームを入れる。火力は弱火。火の呼吸が強すぎると生クリームの風味が飛んじゃう。
この時点でムラがないように、しっかりマンテカトゥーラ(鍋を振る)。
混ざったら火を止めてバターを入れる。味見して物足りなければ塩かコショウを足す。
お皿に盛ってバジルを飾り付け。具材がないのでハーブ類はあったほうが絶対に美味しい。お好みでオリーブオイルをかけてもいい。
↓トマトクリームパスタ(ワンパン)の食材↓
究極トマトクリームパスタ
真打登場。トマトクリームパスタの究極にして至高。この世に存在する全パスタを統べる存在。大袈裟ではなく、全パスタの中でもトップクラス。一皿にパスタの主役が全部ある。七福神がいる。
- オリーブオイル
- ニンニク
- トマト
- クリーム
- チーズ
- バター
- 胡椒
究極の足し算。元気玉。一皿の宇宙。レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の最高傑作《アンギアーリの戦い》のように旨味が螺旋のように絡まっている。これほど旨味を加えすぎたらバトルロワイヤルになって殺し合う。しかし、このパスタは奇跡的に、すべての旨味が元気玉になっている。
究極トマトクリームパスタの材料
麺は王道のタリアテッレを使ってもよし。旨味の元気玉なのでソースに負けないようパスタの王者マンチーニのリングイネにした。日本で販売されているものではリングイネが最も太他のメーカーより幅が広い。トマトソースはコッポラ社など市販のもので良い。バターは有塩でもOK。チーズは削るタイプであればパルミジャーノ・レッジャーノがベスト。純胡椒なしでも美味しいけど界王拳なので絶対に欲しいところ。サイヤ人とスーパーサイヤ人くらい違う。手作りのトマトソースもいつか作って欲しい。
究極トマトクリームパスタのレシピ
- パスタを表示より1分短く茹でる
- みじん切りしたニンニクを炒める
- 残り5分でトマトソースを炒める
- 残り1分で生クリームを煮る
- 茹でたパスタ、バターを混ぜる
- 火を止めてチーズを混ぜる
- 皿に盛って追いチーズ
- 純胡椒を頭頂させて完成
みじん切りしたニンニクをオリーブオイルで炒める。オリーブオイルの量はニンニクが浸かるくらい最小限。このあとバターや生クリームの油脂分が加わるから、オイルが多すぎると油っぽくなる。ニンニクは最初は強火で、沸騰したら弱火でじっくり。
パスタが茹で上がる残り5分前にトマトソースを入れて混ぜる。ニンニクは色付いていなくてOK。
トマトの水分を飛ばすために強火でしっかり煮詰める。水分が少なすぎたらパスタの茹で汁をちょっと足す。
残り1分で生クリームを入れる。
よく混ぜてクリーミーに。
1分短く茹でた硬いパスタを入れてバターも投下。ここで1分くらい混ぜながらちょうどいい硬さにする。
パスタとトマトクリームソースが絡んだら火を止めてからチーズを混ぜる。
お皿に盛って追いチーズ。頂上に純胡椒をキャビアのように登頂させる。クリミーで芳醇な甘さ、そして純胡椒のクシャッとした食感と優しいスパイシーのマリアージュ。
究極トマトクリームパスタの食材・道具
トマトクリームパスタ(ショートパスタ)
トマトクリームはショートパスタとも相性バツグン。フジッリでもリガトーニでも何でもOK。形状を選ばない。噛んだときにトマトクリームソースがジュワッと溢れる。
トマトクリームパスタの材料
ハムはロース、モモどちらでもOK。生クリームは120gでもいい。クリーミーなほうが好きな人は多めに。イタリアンパセリは大量に発注しよう。味のアクセントになる。
トマトクリームパスタのレシピ
- ハムをスライス、イタパセみじん切り
- ハムをオリーブオイルで炒める
- パスタを茹ではじめる
- ハムをよけてトマトペースト注入
- 生クリームを入れて混ぜる
- 茹でたパスタ、イタパセを入れる
- お皿に盛って完成
レシピの参考はファビオさん。分量などちょっとアレンジしているので完コピしたい方は動画を参考に。
ハムをスライスする。ある程度、食感を残したほうがいいので薄くしすぎない。その代わりにイタリアンパセリを親の仇のように切り刻む。こちらは細かいほど良い。茎も一緒に切って混ぜよう。日本のイタリアンパセリは柔らかいので茎も食べられる。
ここからパスタを茹ではじめる。フライパンにオリーブオイルを引いてハムを中火で炒める。
ハム全体に焼き目が付いたら窓際族によけてトマトペーストを注入。軽く炒める。
トマトを炒めたら生クリームを全部入れて混ぜ混ぜ。
生クリームは煮詰めすぎると飛んじゃうので軽く煮るくらい。
茹でたパスタとイタリアンパセリを一緒に入れてマンテカトゥーラ。
お皿に盛って完成。超簡単。
トマトクリームパスタ(ショートパスタ)の食材
牛肉トマトクリームパスタ(ショートパスタ)
具材も欲しいときは牛肉のトマトクリームパスタ。
牛肉のトマトクリームパスタの材料
- パッケリ(ショートパスタ):100g
- ココナッツミルク:150ml
- トマトソース:200g
- 牛コマ切れ肉:250g(お好きな量で)
- 塩、胡椒:たっぷり
ショートパスタはなんでもOK。今回はイタリア南部のショートパスタ・パッケリを使った。牛肉じゃなくて豚肉でも鶏肉でもいい。量もお気に召すまま。ココナッツミルクは牛乳でもOK。
牛肉のトマトクリームパスタのレシピ
- 牛肉に塩胡椒する
- オリーブオイルで牛肉を焼く
- 牛肉を避けてトマトソースを煮詰める
- 胡椒を死ぬほど入れる
- 水分が飛んだらココナッツミルクを入れる
- パスタが茹で上がる1分前に牛肉を帰省する
- 茹でたパスタを混ぜる
- 皿に盛ってオリーブオイルを回しかける
牛肉にたっぷりの塩胡椒する。
オリーブオイルを引いて牛肉を焼く。完全に火が通るまで焼く。
牛肉を軽井沢に避暑させ、トマトソース200gを入れて水分を徹底的に飛ばす。
トマトソースの水分が完全に飛ぶまで長州力する。
ココナッツミルクを150mlくらい入れて煮詰める。超絶、甘いので胡椒をたっぷりすぎるほど入れる。4つまみほど入れる。甘くていい人はそのままで。
パスタが茹で上がる1分前くらいに牛肉をI'll be backさせて帰省。一緒に煮詰める。
茹でたパッケリを入れてよく混ぜる。
皿に盛ってオリーブオイルを世界一周。
ココナッツミルクの牛肉トマトパスタの食材
虚無トマトクリームパスタ(ワンパン)
コンビニで600円くらいで売ってるパスタ、冷凍食品で300円くらいで売ってるトマトクリームパスタより美味しいものが100円ちょっとで作れる。それが虚無トマトクリームパスタ。犯人はもちろんリュウジさん。
虚無トマトクリームパスタの材料
パスタは一応、細麺。ただし太麺でも美味しい。手軽さをとるか、食べ応えをとるかのハムレット。チーズは無くてもいいが、あったほうが映えるし美味い。リュウジさんのレシピよりケチャップやコンソメの量は多い。そのほうが濃厚で美味しい。
虚無トマトクリームパスタのレシピ
- フライパンでケチャップを弱火で炒める
- 水分が飛んだら水、コンソメを入れて沸かす
- パスタを表示時間どおり茹でる
- 牛乳、バター、胡椒を入れて茹でる
- 皿に盛って胡椒をヌートバー、チーズ削る
トマトケチャップ大さじ2を弱火で炒める。
トマトケチャップの水分を飛ばす。
水280mlとコンソメ小さじ2を入れて沸かす。
パスタを表示時間どおり茹でる。
時間どおり茹でて水分が残ってたら引き続き茹でる。
水分がある程度、飛んだら牛乳120ml、バター20g、黒胡椒たっぷりを入れて茹でる。
ある程度トロみが残るくらいまで茹でる。
皿に盛って胡椒をヌートバーしてチーズを削る。
虚無トマトクリームパスタの食材
エリンギとポルチーニ茸のトマトクリームパスタも
【食材】
【レシピ】
- エリンギをフライパンで炒める
- 汗をかいたら火を止め水分を飛ばす
- 焼き色がつくまでエリンギを焼く
- エシャロットをバターで炒める
- 乾燥ポルチーニ茸を砕いて入れる
- トマトソースと生クリームを加える
- 茹でたパスタを混ぜる
- 皿に盛って胡椒をヌートバーする
冷凍、レトルトのトマトクリームパスタ
時間もなく、材料を買うのが面倒くさいときのお助けパスタが、冷凍食品とレトルトのパスタ。味も美味しい。絶対、君が好きだよby福山雅治。
日清もちっと生パスタ(冷凍)
日清さんの生パスタは海老とほうれん草。これだけでリッチな気分。さすが、いい仕事しはるわ。
安心と信頼の味。和食を食べてるかのような懐かしさ。海老のプリプリも嬉しい。安心したいときに食べるといい。癒される生パスタ。
海老と帆立のトマトクリーム
青の洞窟。真逆の色。海老と帆立のトマトクリームパスタ。超リッチ。値段が他と同じ。ホンマかいな。
ソースから魚介エキスの匂いが漂う。タリアテッレの平打ち麺を使った。
普通に美味しいトマトパスタ。クリームパスタ感はない。レトルトでは仕方ない。帆立や海老も風味はするが旨味は感じない。それも仕方なし。まあまあ美味しい。
ズワイ蟹のトマトクリーム
青の洞窟、最終兵器。旨味たっぷりのズワイ蟹とトマトクリームを持ってきた。
蟹の風味はする。家で食べるミートソースじゃなく、外食感たっぷり。ワインと合わせると、さらに特別感が増す。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。