「ワンパンを制する者はパスタを制する」
そんな格言がパスタ業界にある。美味しいだけでなく、手間が早い、茹で汁を捨てなくていい、洗い物が少ないとパスタ界の三冠王。ワンパンパスタを制して食卓を彩ろう。
- ワンパンパスタを美味しくするコツ
- ワンパン・トマトパスタ(リュウジ式)
- ワンパン・ペペロンチーノ
- ワンパン・カルボナーラ
- ワンパン・ナポリタン
- ワンパン・トマトクリームパスタ
- ワンパン・ツナ缶パスタ
- ワンパン・和風パスタ
- ワンパン・貧乏人のパスタ
- ワンパン・暗殺者のパスタ
ワンパンパスタを美味しくするコツ
- 水の量は少なめ(あとから足す)
- 火力は中火から強火が基本
具体的なレシピの前にワンパンパスタのポイントを2つ押さえておこう。
水の量は少なめ(あとから足す)
ワンパンパスタの水の量の目安は1人前(100g)ならお湯は350mlが目安。200gは600ml。いきなり倍にせず、まずは600gで茹で足りなければ後で足す。最初から水を多めに入れすぎると丁度いい茹で時間になっても水が残りシャバシャバ。調味料など出汁の旨味が薄まるから百害あって一利なし。ワンパンパスタは早く水分が無くなったら少しずつ足す。「冷たい水かけたら美味しくなくなるやん」と思う人、コンロやIH様の火力を舐めてはいけない。少量の水を足しても一瞬で沸騰するから問題なし。
塩の量は大鍋と同じ
ちなみに茹でる際の塩の量はパスタ100gに対し10g以上と大鍋で茹でるときと同じ。水の量が少ないのに塩の量が一緒だとしょっぱくなると思いがちだが、塩茹でするのはパスタに塩を吸収させコシを出すため。塩が少ないと水分だけ吸ったブヨブヨの肥満パスタになってしまうので、塩の量は同じ。
火力は中火から強火が基本
ワンパンパスタはグツグツ煮るのもNG。パスタは90度以上で熱すると麺肌の毛穴が開いてデンプンが流れ出す。少しくらいなら逆に丁度いいトロトロになるが、やりすぎると麺がボロボロ、ボソボソになって美味しくなくなる。日本の水は軟水なので水分が浸透しやすく、特にボロボロになりやすい。お湯のイメージはグツグツではなくポコポコ。麺が気持ちよく浸かるように。
ワンパン・トマトパスタ(リュウジ式)
まずはワンパンパスタの伝道師リュウジさんのワンパン・トマトパスタ。ちょっとした工夫で美味しくなるワンパンの秘訣が詰まっている。
ワンパン・トマトパスタの材料
- バリラ1.6mm:100g
- ニンニク:1片
- ミニトマト:1パック
- 水:320cc
- 塩:小さじ1.3
- 味の素:4振り
- オリーブオイル:大さじ1/2
- パセリ:仕上げ
リュウジさんは1.6mmではなく1.4mmのパスタ、味の素ではなくハイミーを使った。具材が欲しい場合はベーコンやタコ、シーフードを足す。
ワンパン・トマトパスタのレシピ
- ミニトマトを半分に切ってレンチン
- ニンニクをみじん切りして炒める
- チンしたミニトマトを加える
- 水、塩、味の素を沸かしてパスタを茹でる
- オリーブオイルを回しかける
- 味見して塩を加える
- お皿に盛ってオリーブオイルを回しかける
ミニトマトを半分に切って600w3分30秒、電子レンジでチンする。早く水分を飛ばして味を凝縮するための裏技。
みじん切りしたニンニクをオリーブオイルで炒める。油が沸騰するまで強火、シュワシュワなったら弱火に落とす。
ニンニクの香りがフワッと上がってきたら、チンしたミニトマトを加える。
ササっとニンニクと混ぜたら水320cc、塩を小さじ1/3、味の素4振りを入れて沸かす。
パスタを茹でる。火力は強火で。茹で時間が来ても水分が残っていてもOK。ワンパンは茹で時間プラス2分までは大丈夫。
パスタが美味しい出汁を吸収したらオリーブオイルを回しかける。味見して塩を加える
お皿に盛ってオリーブオイルを回しかける。パセリを振って彩りを加える。リュウジさんは味変にタバスコをかけた。全然、別のパスタになるが、それも美味しい。
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ワンパン・ペペロンチーノ
チャチャっと時短でペペロンチーノを食べたいけど、今までの味にも飽きた。そんな場合に少しのアレンジで作れるのが、麺つゆを使ったワンパンのペペロンチーノ。
麺つゆペペロンチーノの材料
- バリラの1.6mm:100g
- ニンニク:2片
- カラブリア産の唐辛子:1個
- イタリアン:適量
- 麺つゆ:大さじ1〜2
- 水:250cc
イタリアンパセリは本当は和パセリがおすすめ。麺つゆは3倍濃縮は大さじ1。2倍濃縮は大さじ2で。個人的には2倍濃縮が和出汁の感じがしておすすめ。
麺つゆペペロンチーノのレシピ
- ニンニクとイタパセをみじん切り
- ニンニクをオリーブオイルで炒める
- イタパセ、唐辛子を入れる
- 水250ccを入れて麺つゆを加える
- パスタをフライパンで茹でる
- 味見して塩や麺つゆを足す
- オリーブオイルを回しかける
- 皿に盛って追いオリーブオイル
ニンニクとパセリはみじん切りにする。
刻んだニンニクをオリーブオイルで炒める。
ニンニクが色づき始めたら唐辛子とパセリも入れる。
ニンニクがボディビルダー色になったら水250ccを入れて沸かす。
パスタを茹でて麺つゆも入れる。
汁気が飛んだら味見をして、薄ければ塩や麺つゆを足す。味が決まればオリーブオイルを回しかける。
皿に盛って和パセリを散らす。麺つゆペペロンチーノの完成。
ワンパン・カルボナーラ
食材はご近所のスーパーで手に入るものばかり。カルボナーラのハードルをグッと下げる。こんなん食卓に出したらモテて仕方ない。
ワンパン牛乳カルボナーラの材料
- ガロファロ1.5mm:100g
- 卵黄:1個
- チーズ(なんでもOK):20g
- ブロックベーコン:40g
- グリコの牛乳:50ml(大さじ2)
- コンソメ:小さじ1
- マリッチャのコショウ:たっぷり
- 白トリュフオイル:ひと回し(なくてもOK)
リゾッターで煮るのでパスタは細麺。バリラの1.4mmでもいいが、クリームがパスタに絡むようにガロファロの1.5mmがおすすめ。生クリームは牛乳で代用。鳥羽シェフは生クリームを使ったが、水で薄めていたので牛乳でOK。濃いめのミルクを使おう。できれば白トリュフオイルは使って欲しい。ひと回しするだけで一気に高級感が増し、飲食店のカルボナーラに勝てる。卵を卵黄にするにはエッグセパレーター。
ワンパン牛乳カルボナーラの作り方
- ベーコンを5mm幅の棒状にカット
- 黒胡椒を入れ香りが立つまで乾煎り
- 香りが立ったらベーコンを炒める
- ベーコンに焼き色がついたら取り出す
- 水350cc、コンソメを入れて沸騰させる
- パスタを入れて強火で6分間茹でる
- 卵黄、牛乳、チーズ、胡椒をボウルに入れる
- パスタが茹で上がる直前にベーコンを戻す
- 火を止めて卵液を入れ混ぜる
- 弱火で卵液とパスタを絡ませる
- 皿に盛り黒胡椒、白トリュフオイル
最後の胡椒はたっぷり20カリカリくらいする。ベーコンは表面に軽く焼き色がつく程度。ボウルに混ぜる卵液は「ちょっとシャバシャバすぎひんか?」くらいでOK。
ワンパン(リゾッタータ)のポイントは水を入れすぎないこと。分量が多いとアルデンテが消えてしまう。水は少なめに、足りなければ少しずつ注いでいく。最後のフライパンでの火入れは弱火で。強すぎると炒り卵になってしまうので火の鳥には注意。ゴムヘラで混ぜると失敗しにくい。魔法陣グルグルでかき混ぜよう。
↓↓ワンパン牛乳カルボナーラの食材↓↓
ワンパン・ナポリタン
ケッチャプの代わりに麺つゆを使うウルトラCのナポリタン。でもちゃんとナポリタン。恐るべし鳥羽周作シェフ。
麺つゆナポリタンの材料
- ディチェコ1.6mm:100g
- 玉ねぎ:1/4個
- ウインナー:3本
- ピーマン:1個
- マッシュルーム:2個
- めんつゆ:40ml
- 水:340g
- カルピス社のバター:10g
- グラナ・パダーノ:仕上げ
パスタは細麺がおすすめ。ワンパンなので太麺だとボソボソになる。10分茹でじゃなく9分茹でまでが定住限界。鳥羽シェフはもっと材料少なめだが、あえて具沢山のナポリタン。
麺つゆナポリタンのレシピ
鳥羽シェフは材料の切り方にこだわり、具材を入れる順番もある。ウインナー、玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマンの順番。けど面倒なので、一気にぶちこむ。真似したい方は動画を参考に。
- 材料を厚めに切る
- オリーブオイルで全部炒める
- 焼き色がついたら避ける
- 水、麺つゆ、塩2つまみを沸かす
- パスタを表示時間どおり茹でる
- バターを入れて溶かす
- 具材を戻して軽く炒める
- 皿に盛ってチーズ、胡椒をヌートバー
材料は厚めにテキトーに切る。
アルミパンにオリーブオイルを引いて全部炒める。塩をひとつまみ回しかける。火力は中火。
ウインナーに焼き色がついて玉ねぎとピーマンがしんなりしたら避ける。アルミパンに焦げがついてもモーマンタイ。それも旨味なので、むしろウェルカム。水を沸かしたときに取る。
アルミパンに水340cc、麺つゆ40cc、塩2つまみを沸かしてパスタを表示時間どおり茹でる。
パスタを茹でたらバターを入れて溶かす。
具材を戻して弱火で軽く炒める。出汁が残ってもOK。つゆだくも美味しい。
お皿に盛ってチーズを削り、最後に胡椒をヌートバー。至高のナポリタン完成。
麺つゆナポリタンの食材・道具
ワンパン・トマトクリームパスタ
トマトクリームパスタはワンパンでも作れる。材料と手順を意識すれば簡単に美味しいパスタが作れる。
トマトクリームパスタの材料
- ガロファロ1.7mm:100g
- コッポラ社のトマトソース:100ml
- 生クリーム:75ml
- バジルの葉:飾り付け用1枚
- コンソメ:小さじ1
- カルピス社のバター(有塩):20g
- 水:250cc
パスタの種類は細麺でも太麺でもOK。お好みで大丈夫。ただし、トマトクリームのソースが濃厚なので、あまり細麺は向かない。ソースに負けてしまう。トマトソースもトマト缶でOK。バジルの葉は飾り付けがメインだけど、味にアクセントが加わるので絶対にあったほうがいい。バジルを乗せないなら、ベーコンや玉ねぎなど、他の食材を最初に焼いたほうがいい。生クリームの量も適量でOK。もっとクリーミーにしたければ多くてもいいし、トマトの旨みを活かしたかったら量を減らしてOK。写真に入れ忘れたが、バター(有塩)とコンソメは必須。トマトと生クリームだけではワンパンにしたとき、旨味が減ってしまう。それでもアクセントが足らなければ黒胡椒をヌートバーしよう。
トマトクリームパスタのレシピ
- トマトソースを煮詰める
- 水250cc加えて沸かす
- コンソメと塩を入れる
- パスタを投入する
- 生クリームを入れる
- バターを入れる
- お皿に盛ってバジルを飾る
フライパンにトマトソース100mlをぶち込んで煮る。ポコポコ沸騰してきたら水250ccを加え、コンソメ小さじ1、塩ひとつまみを入れる。
沸騰したらパスタを入れる。たまにかき混ぜならが煮ていく。火力は中火から強火。
思ったより早く煮汁がなくなったら水を足す。最初から多めに入れるのはNG。シャバシャバになってしまう。最初は250ccにして後から足す。
パスタが茹で上がる1分前くらいに生クリームを入れる。火力は弱火。火の呼吸が強すぎると生クリームの風味が飛んじゃう。
この時点でムラがないように、しっかりマンテカトゥーラ(鍋を振る)。
混ざったら火を止めてバターを入れる。味見して物足りなければ塩かコショウを足す。
お皿に盛ってバジルを飾り付け。具材がないのでハーブ類はあったほうが絶対に美味しい。お好みでオリーブオイルをかけてもいい。
↓トマトクリームパスタ(ワンパン)の食材↓
ワンパン・ツナ缶パスタ
煮込み料理のようなニンジン和風パスタ。出汁のやさしさ、ニンジンの甘さがマリアージュする。
ニンジンとツナ缶の醤油パスタの材料
- バリラ1.6mm:100g
- にんじん:1本
- ツナ缶:1缶
- ニンニク:1片
- 魚醤:大さじ1
- 和風だしの素:小さじ1
- 水:320cc
魚醤は普通の醤油でOK。和風だしの素は味の素でもOK。うま味調味料がない場合は無しでもOK。
ニンジンとツナ缶の醤油パスタのレシピ
- にんじんをブロック&細切り
- ニンニクをみじん切り
- ニンジン、ニンニクをニンニン炒める
- 水、和風出汁の素、魚醤を入れる
- パスタを茹でツナ缶を混ぜる
- 皿に盛ってオリーブオイルをかける
いろんな食感を楽しむためにニンジンをブロック状と細切りの2種類にする。面倒くさかったら細切りだけでOK。
みじん切りしたニンニクとニンジンをオリーブオイルで炒める。最初は強火で、オイルが沸騰したら弱火から中火で。強火のままだとニンニクがすぐに焦げてしまう。
ニンニクが色づきはじめたら水320cc、和風出汁の素を小さじ1、魚醤を大さじ1を入れる。
パスタを茹でる。火力は中火から強火の間。グツグツ煮すぎない。茹で時間は1〜2分くらいオーバーしてもOK。
水分がなくなったらツナ缶を入れるて和える。
お皿に盛って完成。塩が足りなければ足す。
ワンパン・和風パスタ
日本発祥の和風パスタといえばナポリタンが筆頭。そのほかで和風パスタのベストナインを組んだら4番候補に上がるのが、福岡らるきいが生み出した「ぺぺたま」。ぺぺたまに和の要素をどんどん足していったら旨くなるという安直な考えが大成功。納豆とオクラぺぺたまを紹介する。ワンパンでできる和風パスタ。
納豆オクラぺぺたまの材料
- バリラ1.6mm:100g
- ニンニク:1片
- 卵黄:2個(全卵でもOK)
- カラブリア唐辛子:2本
- 納豆:1パック
- オクラ:4本
- バター:10g(有塩、無塩お好きに)
- 味の素:小さじ1(無くてもOK)
- 水:320cc
写真に忘れてしまったが、オクラ4本は重要。麺はなんでもOK。卵黄は全卵でもOK。納豆は小粒、大粒お好きに。味の素は本家らるきいのレトルトソースで使われているが苦手な方は無しでOK。
納豆オクラぺぺたまのレシピ
- ニンニクを厚めにスライス
- オクラは半分ずつ輪切り、斜め切り
- ニンニクと唐辛子を炒める
- 卵黄と混ぜてフライパンを空ける
- 水、味の素を沸かしてパスタを茹でる
- 残り2分でオクラを茹でる
- 卵液と炒めたニンニク、バターを入れる
- お皿に盛って納豆を盛る
ニンニクは食感が残るくらい大きめに切る。これが、らるきい流。
オクラは2本を輪切り、残りの2本を斜め切り。食感の違いを楽しむ。
ニンニクと唐辛子をオリーブオイルで炒める。最初は強火で、沸騰したら弱火でじっくり。ニンニクがボディビルダー色になってきたら避ける。
卵黄2つを溶いておいたものとフュージョンさせる。
空いたアルミパンに水320cc、味の素を小さじ1と塩を少し入れて茹でる。
残り2分になったらオクラを全部いれて一緒に茹でる。
麺を茹でたら卵液とニンニク、バター10gを入れて混ぜる。
お皿に盛って納豆を飾れば完成。納豆は付属の出汁も使う。オリーブオイルを回しかけてもOK。一気に味が上品になって納豆やオクラのツルツル感が増す。
納豆オクラぺぺたまの食材・道具
ワンパン・貧乏人のパスタ
お待たせ、ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)。これが美味しい。初めてポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)を作る方は、まずはこのやり方で。
ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)の材料
- Barilla(バリッラ)の1.4mm:100g
- 青森県産のニンニク:2〜3片
- カラブリア産の唐辛子:1個
- 顆粒コンソメ:小さじ1
- 生卵:2個
- パルミジャーノ・レッジャーノ:テキトー
- 水:330cc
パスタは細麺がおすすめ。1.4mmのフェデリーニ。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)はオイルパスタの一味なので、表面がツルツルしたテフロン加工の麺がいい。ここにパルミジャーノ・レッジャーノの援軍が加わる。最後にチーズの粉雪をレミオロメン顔負けに降らせよう。ポイントは愛しの卵。1つは目玉焼き、もう1つはスクランブルエッグにしてソースにする。卵のポテンシャルを最大限に引き出す。コンソメも使う。旨味のショートカット。マリカーでも羽とかキノコとかショートカットに使うっしょ?あれと同じ。使えるものは利用する。それがパスタ道。
ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)のレシピ
- 目玉焼き2個を作る
- にんにくと唐辛子をオリーブ油で炒める
- 水330ccにコンソメ小さじ1を入れて沸かす
- パスタ100gを入れ中火で5分煮る
- オリーブオイル、チーズをかける
- 目玉焼き一個入れ混ぜる
- 皿に盛って目玉焼きを乗せる
- チーズを削って大雪を降らす
最強ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)の作り方はリュウジさんのバズレシピ。コンソメを入れることに嫌悪感を覚えるシェフもいるだろうが、美味ければ官軍。男は黙ってコンソメパンチ。
チーズは粉ではなく、ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)を作るときに削ろう。風味がタイタニック号とイージス艦くらい違う。
目玉焼きを2個焼く。オリーブオイルを引いて強火で熱し、湯気が出てきたら極弱火(最弱)にシフトチェンジ。そこに目玉焼きを2個入れたら、すぐに蓋をして2分だけ加熱。すると写真のようにトゥルットゥルーの中川翔子の目玉焼きができる。片方は出汁にするので形の良いほうだけを残しておく。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)は北斗神拳と同じく一子相伝。生き残れるのは1つだけ。
ニンニクをみじん切りにして唐辛子と一緒にフライパンで炒める。最初は強火でオリーブオイルがフツフツと温泉になってきたら弱火でじっくり炒める。火が強いとニンニクの香りがオリーブオイルに移らず焦げてしまうのでNG。じっくり待つことが美味しいポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)への方程式。
弱火で熱しつつ、ニンニクがボディビルダー色になれば火を止める。焼きムラはできるので、半分くらいボディビルダーがいればOK。あとは色白のガリ勉でもOK。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)はムラの美学。
水330ccとコンソメを小さじ1入れる。このとき横着して水を入れすぎない。水はきっちり330cc測るか、面倒くさかったら少なめにして後で足す。多すぎると麺がフニャってしまい大惨事になる。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)は軟弱ではいけない。
お湯が沸騰したらパスタを投入。フライパンの中でパスタを茹でるリゾッタータ。面倒くさかったら半分にボキッと折ってOK。火は強火のままでOK。表示時間より早く水分がなくなってきたら水を足す。少々、表示時間をオーバーしても大丈夫。WBCの延長タイブレークみたいなもん。余裕を見せよう。
水分がなくなってきたら、オリーブオイル大さじ1、チーズを入れてよーく混ぜる。鍋を振るのが楽しい。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)の登頂ポイント。
オリーブオイルとチーズを混ぜたら目玉焼きの不恰好なほうを投入。美味しい出汁にして成仏させてあげる。ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)は美にうるさい。
皿に盛って目玉焼きを乗せる。チーズを切らしていたらオリーブオイルをかけて食べてもOK。半分、青いポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)もまた美味しからずや。
フィニッシュホールドにチーズの大雪を降らせる。オカダカズチカのレインメーカー。
ニンニクのパンチ、コンソメの出汁、目玉焼きの旨味が交互にデンプシーロールし、金持ち具材をアッパーカットする。レストランで見かけないのが不思議だ。
↓↓ポヴェレッロ(貧乏人のパスタ)の食材↓↓
ワンパン・暗殺者のパスタ
暗殺者のパスタは、スパゲッティを焦がす「おこげ」で作るワンパンパスタ。鉄鍋で乾麺を焼く、焼きそばに近いパスタ。
暗殺者のパスタの材料
- マンチーニ2.2mm:100g
- トマトペースト:30g
- カラブリア産の唐辛子:3個
- コッポラ社のトマトソース:100cc
- 青森県産のニンニク:1片
パスタは絶対的に太麺。強力なトマトソースが絡むので細麺では受け止められない。最低でも1.8mm以上のスパゲッティ。カラブリア産の唐辛子は3つ以上使うこと。舌が蒙古タンメンの人は4つでもいい。トマトペーストを使うとリコピンの酸味が強くなるので辛さがKO負けしてはいけない。暗殺者のパスタはカラブリア産の唐辛子を恐れず3つ以上使うこと。
暗殺者のパスタのレシピ
- ニンニクをスライスにする
- 水700ccにトマトペースト30gを入れ溶く
- 鍋にオリーブオイルを敷きニンニクを炒める
- ニンニクが色づいたら取り出し唐辛子と交代
- パスタを半分に折って入れて思い切り焦がす
- パスタの両面が焦げるまでひっくり返して焼く
- トマトソース100cc入れ、水分が飛ぶまで煮る
- トマト汁を350cc入れ強火で煮る
- トマト汁がなくなってきたら残り半分を入れる
- 水分が完全に飛んだら皿に盛って完成
レシピは日本に暗殺者のパスタを広めたマルコさん。竜巻旋風脚のように日本中に暗殺者のパスタが広まった。
水700ccにトマトペースト30gを入れて混ぜる。ちなみにパスタを焦がすという発想はイタリアはもちろん、日本の飲食店でもメジャー。休憩の合間などに、パスタをフライパンで焼き焦がして塩をまぶし、グリコのプリッツのようにスナック菓子にする。
パスタは半分に折る。折らずに入れるとパスタが入りきらず、おこげができにくい。「パスタを折るのは美学に反する」なんて料理人もいるが、そんなしょーもないこだわりごとバッキバキに骨折させよう。暗殺者のパスタは折るべし。
パスタは遠慮せずに焦がす。思いっきり焦がす。暗殺者のパスタは血の色だが、作るときはアオハル。焦げを恐れない。恋を恐れない。
今回の調理にはターナーがおすすめ。中華鍋にこびりついても掬い取りやすい。恋焦がれたパスタを救うのはターナー。あの鐘を鳴らすのはターナー。
十分にパスタを焦がしたら、まずはコッポラ社のトマトソースを投入。なければトマトピューレやトマト缶でもいい。水分が完全に飛ぶまで煮詰める。
水とトマトペーストを混ぜたトマト汁を半分入れる。コツは一気に全部入れないこと。鍋でパスタを煮込むリゾッタータは、足りなくなったら足す。一気に全部入れるとパスタが溺れて吸収が遅れる。
パスタがトマト汁を吸い切ったら皿に盛る。
暗殺者のパスタは、まずはオリーブオイルもチーズも何もつけず味わってほしい。酸味と辛味の殴り合い、パリパリの食感があり得ないほど美味しい。
ワンパンの王道スープパスタ
最後までご覧いただき、あリガトーニ。