なぜパスタを作るのか?それはフライパンを振るのが楽しいからである。味は二の次。豪快に鍋を振る「マンテカトゥーラ」を楽しめば、我がパスタに一片の悔いなし。
イタリア人シェフ・マルコさんの華麗なる神技。そんなマンテカトゥーラを彩るおすすめのフライパン、アルミパンを紹介する。
おすすめのフライパンの選び方
友人から必ず聞かれる「パスタにはどんなフライパンを使えばいいか?」。この問いに小倉知巳シェフは「楽天(Amazon)でいちばん安いフライパンを買ってください」と答えている。理由はそんなに味が変わらないから。その通りである。単純に人に食べさせるパスタなら、テフロンでもアルミパンでも変わらない。ただし、パスタの聖書は逆の説を唱える。「値段が高くても使っていて最高に気持ちいフライパンを買ってください」。理由は自分で食べたときの美味しさが違うから。理由を因数分解すると、作る楽しさは美味しさに比例するから。もし家族や友人や恋人に作るだけなら小倉シェフの言うように安いものでいい。しかし、自分で食べるときに美味しさを界王拳したいなら絶対にフライパンはこだわったほうがいい。
その証拠に、パスタの聖書は小倉シェフの素晴らしいパスタを食べているが、自分で作ったほうが美味しいと思っている。ただし、あくまで自分が食べる分に関してだ。他人が食べたら絶対に小倉シェフのほうが美味しい。パスタの沼にハマる前、百均やスーパーで買うフライパンではそう思わなかった。アルミパンを買ってからだ。
料理の楽しさは旨さに比例する。1万円のフライパンを買っても鈴木弥平シェフのように20年間も使えば1年500円。パスタの聖書もT-falのウォックパンは15年以上使っている(そろそろ買い替えたいけど愛着ある)。プロの料理人のように1日何百人分の料理を作るわけじゃない。ちゃんと洗えば10年以上使える。絶対に道具にはこだわったほうがいい。
アルミパンでも鉄鍋でも味は一緒
ちなみに良いフライパン、アルミパンを勧めるのは自分が気に入ったものを使って欲しいという意味であり、味はテフロンパンでも変わらない。現にシェフのファビオさんは和風パスタを作るときはテフロンパンで作るが、気分の違いだけだと言っている。では、いよいよパスタの聖書が使い分けている9種類のフライパン、アルミパンを紹介する。
おすすめフライパン、アルミパン、鉄鍋
アルミパン(北陸アルミニウム )
使うパスタ
- 基本すべてに対応
- ペペロンチーノ
まずはアルミパンから。アルミパンの美しき沼にハマったのは北陸アルミニウムのマイスター21cmを買ってから。シェフ城二郎さんがYouTubeで紹介。アルミパンは熱伝導が良い。熱々で草津温泉より湯気の出たパスタができる。取っ手の部分は鍋つかみがないと火傷するし、熱が通り過ぎて食材は焦げつくし、フェラーリのような荒馬。
まさにパスタのために生まれたフライパン。使う理由はカッコいいからの一点に尽きる。アルミパンはパスタ専用、他の料理は門前払い。IHもガスコンロもOK。エンゼルスに大谷翔平がいないと様にならないように、パスタはアルミパンが必要不可欠。
鍋型アルミパン(北陸アルミニウム)
使うパスタ
- 煮込み系(ボロネーゼやソースの量が多いパスタ)
- ショートパスタ
ボロネーゼやソースの量が多いパスタ、ショートパスタなど煮込み系のパスタやリゾットを作るときは高さのある鍋型アルミパンを使う。こちらも北陸アルミニウム。IHは不可。ガスコンロの業火に焼かれる。
ショートパスタは高さがないと鍋を振ったときに大脱走してしまう。スティーブ・マックイーンを捕獲するように塀の高さが必要。これも鍋つかみがいる。
Ballarini トリノ(リッチなパスタ)
使うパスタ
- リッチな食材を使うパスタ
- 日高良美シェフのパスタ
贅沢な食材には『Ballarini(バッラリーニ )』のトリノ。24センチ。5層のグラニチウムコーティングで食材がこびり付かない。日高良実シェフ愛用。このフライパンを使うだけで高級料理を扱っていると錯覚できる。料理道具が宝石に感じる。
鍋つかみ不要なのも嬉しい。日高良美シェフがYouTubeで紹介したパスタも必ずトリノで作る。
ちょっと贅沢パスタを作るときに使ってみよう。記念日はトリノで決まり。
Ballarini ヴェネツィア(クリーム系)
使うパスタ
- クリームパスタ
- バターパスタ
クリーム系やバターのパスタにはバッラリーニのヴェネツィア。24センチ。純白の雪原が気持ち良い。白の景観を壊さない。生クリームを注いだらホワイトラブが爆発する。
鍋つかみ不要。冬のファンタジー。バッラリーニのヴェネツィアという雪の華。
テフロンパン(速水もこみち)
使うパスタ
テフロンのフライパンは速水もこみちプロデュース。とにかく持ち手のレッドがかっちょいい。
蓋もあってかっちょいい。納豆パスタはこれ一択。
※現在、テフロンパン(速水もこみち)は販売終了。そこが深い20cmウォックパンのみ販売。
TKG IHフライパンプロセレ 22cm
速水もこみちプロデュースのテフロンパンが販売終了になってしまったので、次に買おうと思っているのが遠藤商事の業務用(プロ用)テフロンパン。小倉シェフも同社のテフロンパンを愛用。IH対応なのがうれしい。
ツヴィリング フライパン 16cm
使うパスタ
- 目玉焼き
- ソースだけ作るもの
貧乏人のパスタで目玉焼きを作るときや、ジェノベーゼで松の実を炒るとき、カチョエペペでコショウを炒めるときなど、ちょっとした炒め物にはツヴィリングのミニフライパンを使う。
鍋つかみ不要。IHにも対応。超便利。洗い物も一瞬の夏。置き場所にも困らないので一家に一台。
T-fal ウォックパン 28センチ
使うパスタ
- 暗殺者のパスタ
- ソースの量が多いパスタ
暗殺者のパスタのように広い鍋が必要なときに登場するのがT-falのウォックパン。聞き慣れない方もいるかもしれないが、ウォックパンは中華鍋タイプの深型フライパンのこと。料理を始めた15年前、速水もこみち師匠が薦めていたので購入。
もう15年以上も愛用しているが、いささか衰えない。鍋も振りやすく、鍋つかみも不要。本当にウォックパンひとつで何でもできる。大谷翔平のような万能道具。しかもIH対応。
燕三の鉄フライパン
使うパスタ
- ナポリタン
- 具材ゴロゴロ
職人の町・新潟県三条市にある『燕三』の鉄フライパン。26センチと広く、IHも対応している。
肉を焼くとき、暗殺者のパスタを作るとき、ナポリタンを作るとき、鉄フライパンを使うと楽しさが界王拳する。すなわち味も100倍美味しくなる。
陳健一の中華鍋
使うパスタ
- 中華系のパスタ
- ナスやズッキーニの揚げ物
小ぶりの鉄鍋を使うなら絶対に中華鍋を買ったほうがいい。チャーハンを作るときも楽しいし、とにかくパスタが混ぜやすい。愛用は鉄人・陳健一の中華鍋。2,900円でIHでも使える。
中華鍋はズッキーニやナスなどの揚げ物にも使える。一家に一台。あなたのパスタは激変する。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。