表参道のIT企業で働いていたとき、オフィスの目の前がAVEXの本社だった。昼になるとベンダー(屋台)が立ち並び、色んなお弁当屋さんが出店する。一番好きだったのが鯖の塩焼き弁当、800円。栄養が偏る一人暮らしの男にとってありがたい。しかも骨がなく食べやすい。元競輪選手のお兄さんが作っており、東京オリンピックのロードレースの審判員もすると言っていた。もう5年以上前の思い出。今回は鯖の水煮缶を使ったワンパンのパスタを紹介したい。
鯖缶の美味しさのヒミツ
日本では水煮や味噌煮がメジャーだが、イタリアではオリーブオイル漬けが主流らしい。「鯖を読む」なんてネガティブな例えに使われるが、鯖とイタリア料理の関係はグランブルーのように深い。「鯖を読む」の由来は、他の魚より傷みやすく、保存技術のない時代は急いで処理したので、数え間違いが多かったことから来ている。
そんなサバだが塩焼きは最高だし、缶詰も美味しい。缶詰は骨がないから助かる。鯖にはイノシン酸が多く含まれており、これが旨味成分。味の濃い味噌煮と違って鯖の水煮缶は塩水で煮込んだだけで、味付けがされていない。トマトのグルタミン酸を足すことで修二と彰の青春アミーゴとなる。だから水煮を使う。
鯖缶のトマトパスタ(水煮)
まずはコンビニやスーパーで手に入りやすい鯖缶の水煮を使ったトマトパスタ。
鯖缶のトマトパスタ(水煮)の材料
- ガロファロの1.7mm:100g
- 鯖缶(水煮):1缶
- ニンニク:1片
- カラブリア産の唐辛子:1本
- 塩:ひとつまみ
- コッポラ社のトマトソース:100cc
- 水:150cc
- オレガノ:適量
- イタリアンパセリ:適量
パスタの太さはなんでもOK。ワンパンなので太すぎないほうがいい。麺が太いと茹で時間が長く、水の量が多くなってしまって味が薄まる。トマトソースはトマト缶でOK。その場合は200ccにする。オレガノとイタリアンパセリはお好みではあるけど、あったほうがいい。香りも彩りも違う。鯖缶の量は半分でもOK。
ちなみに、オリーブオイル漬けの鯖缶で作っても美味しい。
鯖缶のトマトパスタ(水煮)のレシピ
- ニンニクをみじん切りにする
- イタリアンパセリも刻む
- イタパセの茎、唐辛子と炒める
- トマトソース、塩ひとつまみ入れる
- 水を入れて沸いたらパスタを茹でる
- サバ缶も一緒に茹でる
- 火を止めてオリーブオイルを一周
- 皿に盛ってオレガノ、イタパセで完成
ニンニクはみじん切りにしてカラブアリア産の唐辛子と一緒に炒める。最初は強火で。
オリーブオイルが沸騰したら弱火にする。イタリアンパセリの茎も入れる。イタパセの茎を捨てる人がいるけど、茎に旨味が詰まっているので絶対に捨てない。弱火でじっくりと油にニンニクの香りを移していく。火が強いと焦げてしまうので注意。
ニンニクがボディビルダー色になってきたらトマトソース100ccと塩をひとつまみ入れる。塩はあったほうが美味しい。
すぐに水150ccと鯖缶を入れる。サバは身をほぐしても、そのままゴロゴロしていてもOK。お好みで。中火から強火の間でパスタの表示時間どおりに茹でる。
パスタが出汁を吸収したら火を止めてオリーブオイルを回しかける。必ず火を止めてから。熱でオリーブオイルの香りが飛ぶぞ!
お皿に盛ってオレガノをひとつまみ、イタリアンパセリの葉をまぶして完成🎶
鯖缶のトマトパスタの食材・道具
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鯖缶のトマトパスタ(オイル漬け)
続いては水煮ではなくオリーブオイル漬けの鯖缶を使ったトマトパスタ。
鯖缶トマトパスタ(オイル漬け)材料
鯖缶はセブンイレブンで売ってるオリーブオイル漬け。273円。トシさんいわくミニトマトのほうがトマトより甘味が多い。魚介ものと青いものにはアンチョビで香りづけする。オリーブは黒、緑どちらでもOK。
鯖缶トマトパスタ(オイル漬け)レシピ
- ミニトマトを半分、ニンニクをスライス
- ニンニク、唐辛子、アンチョビを炒める
- ミニトマトを入れて塩を振って潰す
- 鯖缶、オリーブ、イタパセを半分入れる
- 茹でたパスタを和える
- お皿に盛って残りのイタパセを散らす
ミニトマトを半分に切る。
ニンニクをスライス。イタリアンパセリを茎と葉に分けて細かく刻む。絶対に茎は捨てない。旨味になるので。ニンニクはみじん切りでもOK。イタリア本国では90%がスライスか潰すだけ。みじん切りは少数派。個人的にはみじん切り至上主義。
ニンニク、唐辛子、アンチョビをオリーブオイルで炒める。最初は強火で、沸騰したら弱火で。アンチョビがあるので焦げやすいので注意。
ニンニクの香りがフワッと香ってきたらミニトマトを入れて塩を全体に振る。早く水分を追い出すため。
トマトが柔らかくなったら潰して鯖缶、イタリアンパセリの茎、オリーブを入れてほぐす。
茹でたパスタを和えればOK。
お皿に盛ってイタリアンパセリの葉を散らす。
ぜひ、赤ワインと合わせて欲しい。最高のマリアージュ。スパークリングも美味しい。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。