魚介系パスタの頂点に君臨するのがペスカトーレ。「海賊王に!!!おれはなるっ!!!」と言ったのはルフィだが、ペスカトーレはパスタの海賊王。超絶簡単で材料も手軽で、誰でも海賊王になれる。ONE PIECEが手に入る。サンジも驚愕するパスタ。
ペスカトーレの意味、文化
ペスカトーレ(pescatore)の意味はイタリア語で「漁師」。発祥は北イタリアのマッジョーレ湖・ペスカトーレ島。ミラノより、さらに北にあり、30分もあれば探索できる小さな島。名前のとおり「漁師の島」
本当は「ペスカトーラ」
ちなみにイタリアでは「ペスカトーレ」は通じない。料理名としては使わず、職種のみで呼ばれる。パスタ料理は「ペスカトーラ」と発音し「海のパスタ」「海産物を使ったパスタ」として使われる。イタリアの飲食店では「ペスカトーラ」と書かれており「ペスカトーレ」と注文すると、パスタではなくリゾットが出てくることもあるらしい。「漁師風のパスタ」と呼ぶのは日本のオリジナル。日本人の遊び心が素晴らしい。
ペスカトーレの材料
ペスカトーレは島の漁師さんたちが売れ残りや雑魚、魚のアラをトマトソースに入れて煮込んだことで誕生した。具材の魚はなんでもOK。魚の食材に、トマトソースで煮込んだら、もうペスカトーレ。必須ではないがイタリアンパセリはあったほうがいい。
ペスカトーレ・ビアンコとの違い
ペスカトーレの兄弟パスタとして「ペスカトーレ・ビアンコ」もある。こちらはトマトを使わないペスカトーレ。「ビアンコ」は白い色。ペペロンチーノやボンゴレビアンコに近い。
ブカニエラ(海賊風)との違い
パスタには「ブカニエラ(Bucaniera)」という種類があり、意味は「海賊風」
ペスカトーレとの違いは、最後に魚のアラ出汁(スープ・ド・ポワソン)を加える。家庭ではなかなか作れず、飲食店でも見かけることは少ない。1977年銀座で生まれた『あるでん亭』で味わえる貴重なパスタ。新宿の都庁前にもある。
ペスカトーレ(ミニトマト)
まずはミニトマトを使ったペスカトーレ。トマトソースだけでも美味しいのに、さらにミニトマトを援護射撃する。鬼に金棒、ペスカトーレにミニトマト。
ペスカトーレ(ミニトマト)の材料
- セタロのリングイネ:100g
- シーフードミックス:150g前後
- コッポラ社のトマトソース:100c(大さじ3くらい)
- ミニトマト:10個前後
- 青森県産のニンニク:1片
- 白ワイン:50ml
- イタリアンパセリ:適当
ベースとなる味付けは塩・ニンニク・白ワイン。シーフードミックスの旨みがトマトに溶け込んで、コクのある海賊王のトマトソースができあがる。魚介は高級なものを使わなくてOK。ペスカトーレのソースはリゾットにしてもよき。パスタはリングイネ。魚介類にはリングイネが合う。詳しくはマリナーラ編で紹介しているので読んでほしい。
フライパンは巨匠と同じで
食材ではないけど、ペスカトーレを作るときは日高シェフと同じBallarini トリノがおすすめ。このフライパンを使うだけで高級料理を扱っていると錯覚できる。料理道具が宝石に感じる。ONE PIECE感が増す。サンジに勝てる。
ペスカトーレ(ミニトマト)のレシピ
- ミニトマトはヘタを取り、横半分に切る
- ニンニクはみじん切りにする
- パスタは表記より1分程短く茹でる
- フライパンでトマトソース煮立たせる
- カットしたミニトマトを入れて一煮立ちさせる
- 別のフライパンに冷凍のシーフードミックスを入れる
- 水分が出切ったらオリーブオイルとニンニクを絡めて炒める
- 白ワインを入れてアルコールを飛ばす
- トマトソースにシーフードミックスを混ぜる
- パスタも合流させ混ぜる
- 美味しいオリーブオイルを加えて混ぜる
- 器に盛り付け、イタリアンパセリをかけて完成
※日高シェフはトマト缶を使うので作り方が異なります。
ポイントはシーフードミックスを解凍しないこと。氷がとけるときに旨みの魔法も解けてしまう。旨みが大脱走してしまう。冷凍のまま旨みを閉じ込めること。そして白ワインのアルコールをしっかり飛ばすこと。注意するのはこれだけ。ちょっと工程は多いが飲食店に行かなくても、ひとつなぎの大秘宝が家庭にある。
ニンニクはみじん切り、ミニトマトは半分にカット、イタリアンパセリの茎は残しておく。
まずはフライパンでトマトソースを炒める。
グツグツ煮てきたらミニトマトを投入。
ミニトマトは具材ではなく出汁なので水分を出し切る。
別のフライパンでシーフードミックスを炒める。水分を出し切るまで炒める。
シーフードミックスの水分がすべて出たら、端っこにオリーブオイルを引いてニンニクとイタリアンパセリの茎を炒める。
ニンニクの香りが立ったら焦げる前に白ワイン50ccを入れる。アルコールが飛ぶまでしっかり炒める。
トマトソースにシーフードミックスを混ぜる。
茹でたパスタを混ぜる。
火を止めてオリーブオイルを回しかける。
お皿に盛ってイタリアンパセリの葉をかけて完成。
↓↓ペスカトーレ(ミニトマト)の食材↓↓
ペスカトーレ(イカの塩辛)
2品目は魚介のペスカトーレに、さらに魚介を上塗りするペスカトーレ。イカの塩辛を加える。るろ剣の相楽左之助の必殺技・二重の極みのようなペスカトーレ。
ペスカトーレ(イカの塩辛)の材料
- リングイネ:100g
- 冷凍シーフードミックス:150g前後
- コッポラ社のトマトソース:100c(大さじ3くらい)
- いかの塩辛:35g
- 青森県産のニンニク:1片
- カラブリア産の唐辛子:2本
- 白ワイン:50ml
- イタリアンパセリ:適当
ポイントはイカの塩辛に加えてカラブリア産の唐辛子を2本加えること。かなり煮込むので辛さは飛ぶのでスパイスや魚介の臭みを消すために利用する。
ペスカトーレ(イカの塩辛)のレシピ
- ニンニク、イタパセをみじん切り
- 冷凍シーフードミックスを炒める
- ニンニク、イタパセ茎、唐辛子を炒める
- 白ワインで煮る
- トマトソースをイカの塩辛と炒める
- 1分短く茹でたパスタを混ぜる
- オリーブオイル、イタパセの葉を混ぜる
- 皿に盛って追いオリーブオイル
ニンニク、イタリアンパセリをみじん切りにする。茎は捨てない。ここに旨みが詰まっている。
冷凍のシーフードミックスをフライパンに入れて塩を振る。水分が完全に抜けるまで炒める。ここでパスタを茹ではじめる。表示より1分短く茹でることがポイント。
シーフードミックスの水分が完全に蒸発したら端っこに寄せる。オリーブオイルを引いてニンニク、イタリアンパセリの茎、唐辛子を炒める。
ニンニクがボディビルダー色になったら白ワイン50ccを入れて炒める。これも完全にアルコールが飛ぶまで炒める。
シーフードミックスを避けて、トマトソースとイカの塩辛を炒める。
茹でたパスタを入れてシーフードミックスを入れる。ここで1分くらい混ぜる。だからパスタは1分短く茹でる。
火を止めてイタリアンパセリの葉、オリーブオイルを回しかけてマンテカトゥーラ。
皿に盛って追いオリーブオイルで完成。
↓↓ペスカトーレ(イカの塩辛)の食材↓↓
和風ペスカトーレ
和出汁を効かせた和風のペスカトーレ。トマトの酸味を活かしながらも、和出汁の懐かしくもやさしい味わいが広がる。
和風ペスカトーレの材料
- 2.2mmのパスタ:100g
- 冷凍シーフード:200g
- ニンニク:2片
- フレッシュトマト:1個
- 料理酒:20ml
- 和出汁:100ml
- パセリ:適量
- 黒胡椒:たっぷり
パスタは太麺がおすすめ。魚介系なので、できればリングイネがあればベスト。和出汁はなんでOK。みじん切りした玉ねぎ、バターを加えればコクや奥行きが出る。
和風ペスカトーレのレシピ
材料や作り方が全然違うが、参考にしたのはジョージさん。プロの味を再現したい方は動画を参考に。
- 冷凍シーフードを塩水につける
- ニンニク、トマトをみじん切り
- シーフードを拭き、塩をまぶす
- シーフードをオイルで炒める
- 料理酒を入れてアルコールを飛ばす
- シーフードを避けてニンニクと交代
- トマトを加えて塩を振る
- 和風出汁を加えて煮詰める
- 茹で時間の3分前にパスタを混ぜる
- シーフードもフライパンに戻す
- 火を止めてオリーブオイルをかける
- 皿に盛ってパセリ、黒胡椒をたっぷり
冷凍シーフードを塩水につけて解凍する。
シーフードを解凍している間にニンニク、トマトをみじん切りにする。
解凍したシーフードをキッチンペーパーで拭き、全体に塩をまぶす。
シーフードをオリーブオイルで炒める。全体に焼き色がつくまで炒めていく。あまりシーフードは動かさず、強火で焼いていく。
料理酒を入れてアルコールを飛ばす。鍋についた焦げは気にしなくてOK。あとで取れるので。
シーフードを避けてニンニクと交代。オリーブオイルで炒める。
ニンニクの香りが立ったら、トマトを加えて塩を振る。トマトの水分を利用して鍋についた焦げ(旨味)をヘラでとる。
トマトの水分が飛ぶまで煮詰める。
和風出汁100mlを加えて煮詰める。写真は水分が多すぎた。2人前の場合。
茹で時間の3分前にパスタを混ぜる。シーフードもフライパンに戻す。
パスタが出汁を吸収したら、火を止めてオリーブオイルを回しかける。
皿に盛ってパセリ、黒胡椒をたっぷりかけて完成。
ファミマやセブンイレブンなどでも買える、イタリアの赤ワイン・キャンティとめちゃくちゃ合う。
和風ペスカトーレの道具
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パスタは道具にこだわるほど美味しくなる、楽しくなる、愛おしくなる
最後までご覧いただき、あリガトーニ。