「狩人」という言葉を初めて知ったのはスーパーファミコンの『ファイナルファンタジーⅤ』だった。30代、40代、50代の人は夢中になったはず。
「かりうど」という勇ましい響きがカッコよく「吟遊詩人」と並んで憧れのジョブ。ファイファン(関西では「エフエフ」ではなく「ファイファン」と略す)の職業に就くなら、狩人かナイト(騎士)を選ぶ。冒頭から思い切り話が脱線したが、イタリアには「狩人のパスタ」がある。その名も「カッチャトーラ」
カッチャトーラの意味・誕生
カッチャトーラとは鶏肉(ウサギ肉)、玉ねぎ、トマト、ハーブ、ビネガー(ワイン)を煮込んだ料理。日本では「カチャトーラ」と書かれる。カッチャトーラはイタリア語で「猟師、狩人」の意味。料理名として使う場合は「猟師風(狩人風)」と訳される。イタリア語の表記はcacciatoraなので、正式には「ッ」が入る。発祥は諸説ある。
誕生のきっかけ
カッチャトーラが生まれたのは15〜16世紀といわれている。発祥の場所は北イタリアのトスカーナ州(フィレンツェが州都)が有力。猟師が持ち帰った鶏やウサギの肉を使い、家で奥さんがトマトやハーブと一緒に煮込んだことから生まれた。ハンティングの仕事の休憩などに狩人が野外で作ることもある、なんともワイルドターキーな料理。つくづくイタリアの文化には惚れ惚れする。
カッチャトーラは2種類
- トスカーナ風:トマトが入る
- ローマ風:トマトなし
北イタリアのトスカーナ風はトマトで肉を煮込むが、ローマに下るとトマトを使わない。共通しているのはワイン(ビネガー)を使うこと。具材にオリーブ、ジャガイモ、マッシュルームを加えるカッチャトーラもある。本家はトマトありだが、ハッキリ言ってローマ風のほうが美味い。後半で紹介するので楽しみにして欲しい。落語でも真打は最後、プロレスでもメインイベンターは最後に登場するでしょ。
カッチャトーラ(トスカーナ風)
まずは本家のトスカーナ風のカッチャトーラ。ショートパスタで作ってもいい。いや、むしろショートパスタのほうが美味い。子どものお弁当にもいい。「ねえ、今日のお弁当なに?」「カッチャトーラよ」なんて会話はどうでしょうか。
カッチャトーラ(トスカーナ風)の材料
鶏肉とトマトソースが強烈なので、パスタは太麺のスパゲットーニ。お好みで細麺でもOK。鶏は「もも肉」を使うのがスタンダード。胸肉でもいい。おすすめはハーフベーコン。この時点で邪道だけど、旨味の出汁として使う。ちなみに写真には無いけど、チーズを削ったほうが100倍美味しい。写真には写らない美しさがあるから by ブルーハーツ
カッチャトーラ(トスカーナ風)レシピ
- 玉ねぎ、ニンニクをみじん切り
- 鶏肉を皮から焼く
- 取り出して玉ねぎを焼く
- ニンニク、ハーフベーコンを焼く
- 鶏肉をI'll be back
- 白ワインビネガーを入れる
- ホールトマトを入れる
- 砂糖、塩を加える
- 茹でたパスタを混ぜる
ニンニクをみじん切り、玉ねぎをスライス。そして出汁に使うベーコンを超細かく切り刻む。めっちゃ細かく切ることがポイント。
フライパンにオリーブオイルを引いて鶏肉を皮から焼く。とにかく皮ファースト。
皮が焼けたら裏返して、軽く火が通ったら取り出す。焼きすぎると肉が硬くなってしまう。
鶏肉を取り出して、残った鶏の油で玉ねぎを焼く。
玉ねぎがボディビルダー色に変色したらニンニク、ベーコンを入れる。
ニンニクとベーコンが焼けたら鶏肉をI'll be back。
白ワインビネガーとトマト缶を入れて煮込む。
しっかり煮込んでトマト缶の水分を飛ばす。
パスタが茹で上がったらダイブして混ぜまくる。
お皿に盛ったらオリーブオイルを回しかけて完成。
別の日にチーズを削って作ってみました。こっちのほうが100倍美味しい。
最初に言ったように、カッチャトーラはリガトーニなどのショートパスタのほうが美味しいぜよ。
↓カッチャトーラ(トスカーナ風)の食材↓
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カッチャトーラ(ローマ風)
味は本家トスカーナを凌駕するローマ風のカッチャトーラ。今回はショートパスタで作ったが、ロングパスタや色んな形のショートパスタを研究していきたいと思う。
カッチャトーラ(ローマ風)の材料
- カサレッチェ:100g
- 鶏もも肉:200g(お好みで)
- マッシュルーム:6個(お好みで)
- 玉ねぎ:1/2個
- ニンニク:1片
- アンチョビ:1フィレ
- 白ワインビネガー:大さじ2
- ケーパー:5粒くらい
- ローズマリー:適量
パスタの種類や分量はマジで全部お好みで。自分だけの世界に一つだけの花を目指してほしい。白ワインビネガーは赤ワインビネガーでいい。小倉シェフェは赤ワインのほうを使っていた。
カッチャトーラ(ローマ風)の作り方
- 鶏肉に塩を振って水分を抜いておく
- 鶏肉に小麦粉を振る(無くてもOK)
- 玉ねぎ、マッシュルームをスライス
- ニンニクはみじん切り
- 玉ねぎをオリーブオイルで炒める
- 鶏肉を皮から焼いていく
- 鶏肉を裏返して火を止める
- ニンニク、アンチョビ、ケーパー入れる
- 白ワインビネガーを回しかける
- 玉ねぎ、マッシュルームを入れる
- ローズマリーを入れる
- 茹でたパスタを混ぜてオリーブオイル
- お皿に盛って完成
工程は多いけど、挫折せずに作ってほしい。技術はいらない。
鶏は塩を振って水分を追い出しておく。水分を拭き取って小麦粉をふる。
玉ねぎはスライス、ニンニクはみじん切り、
オリーブオイルをで玉ねぎを炒めて、しんなりさせたら取り出す。
皮を下にして皮ファーストで焼いていく。火力は中火で。
鶏に焼き色がついたら裏返して火を止める。
ニンニク、アンチョビ、ケーパーを入れる。
色づいてきたら白ワインビネガーを回しかける。
炒めた玉ねぎ、マッシュルームを入れて、少量の茹で汁を入れる。塩っ気が苦手な人は水でもいい。ここで強火にファイア。
パスタが茹で上がる前にローズマリーの赤ちゃんを入れる。これが美味しい。もちろん、ぶっといローズマリーがあれば、そっちのほうがいい。
茹で上がったパスタを入れて、火を止めてオリーブオイルを回しかける。
お皿に盛って、お好みで追いオリーブオイルで完成🎶
↓カッチャトーラ(ローマ風)の食材↓
最後までご覧いただき、あリガトーニ。