10年前に上京したとき、毎日の朝メシは牛乳とトマト、魚肉ソーセージにRITZ、コンビーフだった。『傷だらけの天使』のショーケンに憧れ、朝メシの真似をしていた。演出は恩地日出夫、 撮影は木村大作。今もテレビドラマ史上最高のオープニング。宝石泥棒に子守唄を。
上京当時は消費税も5%、コンビーフが100円ローソンで買えた。たぶんローソンのオリジナルだったと思う。そんな価格で提供するから利益が出なかったのだろう。いつの間にか廉価ものは淘汰され、高級食材しか残らなくなった。毎朝なか卯に通うようになってから傷だらけの天使の朝メシも食べなくなったが、コンビーフを使ったパスタレシピを見つけたので作ってみた。今でも目覚ましの音楽は『傷だらけの天使』。ピエロに結婚行進曲を。
コンビーフとは
コンビーフとは牛肉を塩漬けにした食品。英語は「CORNED BEEF」で"塩漬けの牛肉"という意味。日本では塩漬けした牛肉をほぐして牛脂で固めた缶詰として売られる。賞味期限は3年6ヶ月。日本では終戦後の1948年に野崎産業が国産コンビーフの市販を開始。傷だらけの天使でショーケンが食べていたのも、ノザキのコンビーフ。
令和元年の2020年に開けやすい缶詰に変わってしまったが、以前は巻き取り鍵を使ってクルクル回して開ける超面倒くさい缶詰だった。便利な世の中になったが、クルクルが懐かしい。回転木馬に熱いさよならを。
コンビーフのパスタ(傷だらけの天使)
作って自分でも驚いた傷だらけの天使を完全再現したコンビーフのパスタ。美味しいか半信半疑だったが、阪神タイガースのように凛として猛虎。祭りのあとにさすらいの日々を。
コンビーフのパスタ(傷だらけの天使)の材料
過不足なく完全に傷だらけの天使でショーケンが食べていた物だけを使ったパスタ。麺はなんでもいい。太麺でもショートパスタでもお好きに。金庫破りに赤いバラを。コンビーフは、まいばすけっとで440円もした。いつの間に、こんなに値段が上がったのか。財布に打撃。ノザキによると生肉を加工するので手間がかかるらしいが、それにしても高い。非情の街に狼の歌を。
コンビーフのパスタ(傷だらけの天使)のレシピ
- 魚肉ソーセージ、トマトをテキトーカット
- 魚肉ソーセージを油で炒める
- パスタを茹ではじめる
- トマトを入れて塩を全体に振る
- トマト潰して牛乳を混ぜる
- 茹でたパスタとコンビーフをin
- お皿に盛ってRITZを飾る
魚肉ソーセージは食べやすい大きさに。トマトもテキトーに細かく切る。あとでソースにするので形はどうでもよし。
アルミパンにオリーブオイルかサラダ油かを引いて弱火で魚肉ソーセージを炒める。火力が強いとアルミパンにへばりついて形が崩れるので弱火で。ヌードダンサーに愛の炎を。
魚肉ソーセージに焼き色がついたらパスタを茹ではじめ、トマトを入れて塩を3つまみくらい振る。味付けが淡白なので塩をしっかり効かせる。
牛乳を大さじ1入れて、しっかり煮詰める。火力は中火から強火。母のない子に浜千鳥を。
トマトの水分がしっかり飛ぶように煮詰める。正確に言えば酸味を飛ばす。甘味を引き出す。水分がなくなっても茹で汁を足せばいいので恐れずに。愛の情熱に別れの接吻を。
茹でたパスタとコンビーフを1缶丸ごと入れて潰しながら混ぜる。
水気が少なけりゃ茹で汁を足す。茹で汁は旨味が詰まった出汁なので美味しくなる。欲ぼけおやじにネムの木を。
お皿に盛ってRITZをちぎって飾る。リングサイドに花一輪を。
コンビーフのパスタ(電子レンジ)
コンビーフのパスタの材料
パスタはなんでもOK。他の材料は欠かさないほうがいい。ストライクゾーンが狭い空手の型のようなパスタ。 つよがり女に涙酒を。
コンビーフのパスタのレシピ
- 耐熱容器にパスタと水を入れる
- 玉ねぎをスライスして入れる
- 表示時間+3分でレンチン
- 残りの材料を全部混ぜて完成
超簡単なレンチン時短レシピ。秒速5センチメートルで作れてしまう。虫けらどもに寂しい春を。
どんな耐熱容器でもいいので、パスタを入れ(入らない場合は半分に折る)、スライスした玉ねぎ、水250ccを入れる。玉ねぎが浸るようにする。悪女にトラック一杯の幸せを。
セットしたら表示時間+3分で600Wでレンチン。ディチェコの1.6mmは9分茹でなので、12分でセットする。その間はやることがない。YouTubeで傷だらけの天使のオープニングを見る。レンチンが終われば水分が完全になくなっている。自動車泥棒にラブソングを。
あとは残りの材料を全部ぶち込んで混ぜるだけ。コンビーフ、マヨネーズ、麺つゆ、柚子胡椒を入れる。耐熱容器ではコンビーフが混ざりにくいので、ボウルに移すとよき。
お皿に盛って黒胡椒をたっぷりヌートバーする。30カリカリ以上やって大丈夫。コンビーフのパスタ完成。殺人者に怒りの雷光を。
エクストラバージン・オリーブオイルで味変
牛肉パスタにオリーブオイルが合わないはずがない。太陽が西から昇ってもオリーブオイルとコンビーフのパスタの相性は変わらない。良いオリーブオイルを、これでもかとたっぷり回しかけると、超上品な飲食店の味。街の灯に桜貝の夢を。
ガーリックスパイス「ほりにし」
野性味を強めたいなら、悪魔のスパイス「ほりにし」の大雨を降らせる。ガーリック味なので肉との相性は言うまでもない。萩原健一と水谷豊のコンビ。病みつきになる。味的にはオリーブオイルだが、傷だらけの天使に寄せるなら「ほりにし」がおすすめ。くちなしの花に別れのバラードを。
↓コンビーフのパスタの食材・道具↓
コンビーフ(ニューコンミート)のパスタ
コンビーフは高級品。もっと安く作れへんか?という場合はニューコンミート。値段が半額近くで済む。コンビーフとは原料肉が違う。コンビーフは牛肉100%、ニューコンミートは馬肉80%程度、牛肉20%。要はコンビーフのバッタもん。美味けりゃいい。偽札造りに愛のメロディーを。
コンビーフ(ニューコンミート)のパスタの材料
- ディチェコ1.6mm:100g
- ニューコンミート:1缶
- 玉ねぎ:1/4個
- マヨネーズ:大さじ1
- めんつゆ:大さじ1
- 柚子胡椒:3センチ
- 黒胡椒:たっぷり
- 合い挽き肉:70g(なくてOK)
- チーズ:仕上げ(なくてOK)
材料はコンビーフのパスタと基本同じ。合挽肉は冷蔵庫に余っていたもの。チーも同じ。あったほうが美味しいが無くてもOK。
コンビーフ(ニューコンミート)のパスタのレシピ
- パスタを茹でる
- 玉ねぎをスライスして炒める
- 合挽肉を入れて焼き色をつける
- 麺つゆ、マヨネーズ、柚子胡椒を入れる
- ニューコンミートを入れて混ぜる
- 茹でたパスタを混ぜる
- 皿に盛って黒胡椒、チーズを削る
玉ねぎをスライスしてオリーブオイルで炒める。火力は中火。
玉ねぎに焼き色がつき、しんなりしたら合挽肉を入れる。兄妹に十日町小唄を。なければ次の工程へ。
麺つゆ大さじ1を入れて炒める。港町に男涙のブルースを。
マヨネーズ、柚子胡椒を入れて完全に混ぜて真っ黒にする。草原に黒い十字架を。
パスタが茹で上がる1分前くらいにコンビーフを投入して木べらで潰す。街の灯に桜貝の夢を。
茹でたパスタを入れて混ぜる。
お皿に盛って胡椒、チーズを削る。母の胸に悲しみの眠りを。最後までご覧いただき、あリガトーニ。