生まれ変わったらバターになりたい。食パンはパンが目当てじゃない、バターを食べてるんだ!そんなバター好きに捧げるパスタを紹介したい。ギニュー特戦隊のバータにも食べてもらいたい。満足できなかったらチョコレートパフェを奢ろう。
- バターパスタは「アル・ブッロ」
- シンプルなバターパスタ(アル・ブッロ)
- 背徳の焦がしバターパスタ
- セージのバターパスタ
- 和風バター醤油パスタ(ワンパン)
- 背徳の焦がしバターパスタ(麺つゆ)
- 他のバターパスタ(パスタ・アル・ブッロ)
バターパスタは「アル・ブッロ」
材料や作り方の前に大事な話をする。バターで和えるパスタを「Pasta al burro(パスタ・アル・ブッロ)」という。「al」は「〜に」、「burro」がバター。直訳すると「パスタにバター」。「今日はバターパスタでも作るか」ではテンションが上がらない。「得意料理はパスタ・アル・ブッロです」なんて合コンで言った日にはモテてしゃーない(未検証)。これから作る「背徳の焦がしバターパスタ」はイタリア語では「ブッロ・エ・パルミジャーノ」という。気分によって使い分けよう。バターは地球を救う。
アル・ブッロは北イタリアの文化
面白いもので南イタリアではトマトパスタが多く、北に行くほどバターパスタが増える。理由は定かではないが、おそらくフランスに近いからだと思われる。北イタリアはバターパスタだけでなく、トマトパスタにもクリームを加えるほどクリームパスタが有名。これもフランスに近いからではないか。地域によってパスタ文化が違うのもイタリアの素晴らしさ。
バターパスタは無塩が基本
イタリア本国でもフランスでもバターパスタ(アル・ブッロ)を作るときは基本的に無塩バターを使う。パスタを塩茹でする際にたっぷりに塩を使うからしょっぱくなるからだ。塩魔大王のパスタの聖書は気にせず有塩を使うことが多い。たまに料理人で有塩を使うときは茹でる塩の量を減らせばいいとコメントするが、これはおすすめしない。パスタを茹でる塩を少なくしてしまうと、麺が水分だけを吸収してブヨブヨの肥満パスタになりコシやハリがなくなる。塩茹でする塩分は減らさないことが美味しいパスタの道。塩分控えめな方は無塩バターを使って塩茹でする塩はたっぷり使ってもらいたい。
バターの歴史
バターの歴史、発祥は定かではなく、旧約聖書や紀元前2000年頃のインドの経典やに記述がある。紀元前500年頃にはギリシャの歴史家へロドトスが、バターを作ったと述べており、バターの歴史はかなり古い。日本で本格的に製造された始めたのは18世紀の明治時代であり、かなり近代。西洋人を馬鹿にして「バタ臭い」というのも、バターが洋モノの代表格だからである。バターパスタの歴史も定かではなく、いつの間にかパスタに組み合わさっていた。ちなみにバターは成分の定義があり、乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下と定められている。基本的にニンニクを炒めるのはオリーブオイルかサラダ油だが、バターで炒める「ぺぺバター」もある。
シンプルなバターパスタ(アル・ブッロ)
まずはシンプルis究極のバターパスタ(アル・ブッロ)。フライパンが要らない。ノーパンパスタ。チーズではなくバターをチーズグレーターで削るウルトラC。東京のお鮨屋さんが、寿司を握ったあと仕上げでバターを削って乗せた。将太の寿司みたいなシャレた鮨屋さん。それをパスタに応用した。
バターパスタの材料
- バリラ1.6mm:100g
- カルピス社のバター:20g +仕上げ
- 藻塩:3つまみくらい(無塩バターの場合)
- 純胡椒:味変ドリクス用
麺はなんでもいい。お好みで。新宿のスーパーに異変が起きている。どんどんカルピス社のバターが消えている。2,000円以上するから誰も買わない。本当は有塩が欲しかったが無縁坂しかなかった。それも断末魔の1個。これで終わり。良い食材がどんどん日本から失われている。見てわかるように、有塩バターであれば用意するのはパスタ麺とバターだけ。信じられないと思うが、これで信じられない美味しさのバターパスタができる。必ず用意するのがチーズグレーター。マイクロプレーンなど削れればなんでもOK。
バターパスタのレシピ
- パスタを塩茹でする
- ボウルにバターをスタンバイ
- 茹でたパスタと和える(塩を足す)
- 皿に盛ってバターを削る(塩を足す)
これだけ。誰でもできる。なのに自宅がミシュランの店に変わる。有塩バターの場合は塩を足す工程を省く。
バターを20gスタンバイ。カルピス社のホワイト・ボディが長澤まさみのよう。一度使うと他のバターに戻れない。まさに長澤まさみの魔性。
茹で上げたパスタとバターを和える。無塩バターの場合は味見して塩を足す。あとから足す塩は藻塩や岩塩など良いものを使う。塩の味がそのままパスタの味になるから。アジシオや伯方の塩は茹でる場合は問題ない。熱を入れたら変わらないから。でも仕上げのコーティングの塩は良い塩を使う。
まずはお皿に盛る。できるだけ高く。エヴェレストやマッターホルンを意識。
いざショータイム。チーズグレーターでバターを削る。これが不思議な感覚。雲を削っているよう。有塩バターであれば、ここで完成。
無塩バターは藻塩の雨をパラパラ。超上質なホイップクリームを乗せたみたい。食感がトゥルトゥル、フワッフワ。口の中が筋斗雲。これはチートすぎる。チートパスタ。新宿のアパートがミシュラン店に変わった。
味変ドリクスは純胡椒。醤油を垂らしてバター醤油にしてもいい。
背徳の焦がしバターパスタ
続いてはオーソドックスな焦がしバターパスタ。チーズとバターだけ。何ならバターだけでもいい。
背徳の焦がしバターパスタの材料
- ダル クオーレ 1.7mm:100g
- カルピス社のバター:30g
- コンテチーズ:30g
- マリチャの黒胡椒:20カリカリ以上
パスタの太さはお好みでOK。バターの旨味を受け止めるには多少は太いほうがいい。あまり太すぎると麺が勝ってしまうので1.7mmがベストと心得る。あくまで主役はバター。味を決めるのでカルピス社のような美味しいバターを使ってほしい。有塩、無塩はどちらでもOK。塩魔大王は有塩一択。しょっぱいのが苦手な方は無塩坂で。
重要なのがチーズ。バターの旨味をブーストして加速させる。本来このレシピは北イタリアで考案されたもの。パルミジャーノレッジャーノがオーソドックスだが、バター料理といえばフランスなのでコンテチーズを使った。これが大成功、トラ・トラ・トラ。パルミジャーノだと少しチーズの主張が強い。コンテのマイルドさが最高の夫婦。
背徳の焦がしバターパスタのレシピ
- チーズを削っておく
- パスタを表記通りの分数で茹でる
- フライパンにバターを投入し弱火で焦がす
- パスタが茹で上がったら皿に盛る
- チーズを削ってパスタに大雪を降らせる
- 焦がしバターをパスタに降臨する
- 黒胡椒を20カリカリ以上する
なんと包丁いらず。それで美味いパスタが出来てしまうのだから、バタ子さんとチーズのコンビはすごい。料理の腕を鈍らせる。だからジャムおじさんの労働が絶えない。
最初にチーズを削っておこう。30g以上を削るのは骨が折れる作業。パスタを茹でてる間でもいいが、先に削っておくと心に余裕が生まれる。
パスタを茹でたらバターを投下。重要なのは火加減。弱火でじっくり焦がしていく。中火にすると真っ黒に焦げてしまう(それはそれで美味いが)。バターが最高に美味しい状態に焦がすまで待つ。恋愛と同じ。恋焦がれてもあせらない。相手の気持ちを溶かして、じっくり焦がしていく。
しょっちゅうフライパンを回してバターを北島康介くらい泳がせる。このバターという奴はクセモノで、放っておくと焦げが底に溜まってしまう。バターは甘いが甘やかしてはいけない。常に運動させる。超気持ちいい。
こんな感じでバターがボディビルダー色になったら成功は目の前。黒すぎてもダメ。ベスト・ボディ・ジャパンで優勝する西川貴教のような色が理想。早く茶色になったら火を止める。
パスタが茹で上がったらお湯を切って先に皿に盛る。
すかさずチーズの豪雪地帯を作る。谷川岳くらいの積雪量でOK。
焦がしバターを回しかけて胡椒もたっぷり。「多すぎっしょ」というくらいがちょうどいい。大は小を兼ねる。これでギニュー隊長も大満足。深夜に作った日なんかカロリー爆弾。死なばもろとも。パスタ道とは死ぬことと見つけたり。
↓↓背徳の焦がしバターパスタの食材↓↓
セージのバターパスタ
ハーブのセージをたっぷり使ったパスタ。セージは香りが強く、やや苦味があるハーブ。肉料理に良く合う香りで、「ソーセージ」の名前の由来になっている。
セージのバターパスタの材料
パスタはなんでもよし。コンソメスープは30mlの水にコンソメを小さじ2入れる。鶏がらスープでもブイヨンでもブロードでもなんでもOK。
セージのバターパスタのレシピ
- パスタを茹でる
- バターと鶏がらスープを炒める
- 1分前にセージを入れる
- 茹でたパスタと和える
- 火を止めてチーズを削る
- お皿に盛ってバターを削る
パスタを茹でてる間にチーズを削ってコンソメスープを作っておく。
バター30gとセージを煮る。
茹でたパスタを混ぜる。
火を止めて削ったチーズを混ぜる。
お皿に盛ってバターを削る。モン・サン・ミシェルを作って完成。セージの香りが凄くてオリエンタル感満載。ネパールの繁華街タメルにいる気分になれる。
セージのバターパスタの道具
和風バター醤油パスタ(ワンパン)
みんな大好きバター醤油。じゃがいもに合う。ポテトチップスにも合う。バター醤油は人類を救う。
和風バター醤油パスタの材料
- バリラ1.6mm:100g
- 無塩バター:25gくらい
- ふつうの醤油:小さじ2
- 和風だしの素:小さじ2
- 水:350cc
麺も材料の量もテキトー、お好みでOK。このパスタはストライクゾーンが広大。超のつく広角打法。醤油は魚醤でもいいし、和風だしの素がなければ味の素やコンソメなどでもOK。なんなら出汁の素を使わず塩茹でだけでもいい。ただしワンパンパスタは出汁系と合うのでおすすめ。わざわざ鶏のブロードをとる上級者はこのブログを読まないでしょ。
和風バター醤油パスタのレシピ
- 水と和風出汁の素を沸騰させる
- パスタを茹でる
- 醤油とバターを和える
- 皿に盛ってバターを削って醤油を垂らす
猿でもできるかもしれない。それほど簡単。でもうまいんだコレが。
水350ccと和風出汁の素を小さじ2を入れて沸騰させる。
パスタを入れて茹でる。火はグツグツの地獄風呂にしない。ポコポコ沸く温泉くらい。
パスタが和風出汁を吸い切ったら無塩バター、醤油を和える。
皿に盛ってバターを削って醤油を垂らす。いつものフィニッシュ。ロックボトムからのピープルズエルボー。
背徳の焦がしバターパスタ(麺つゆ)
これまた朝ごはんなどにチャチャっと作れる。うれしいワンパンのパスタ。ニンニクと麺つゆの旨味をプラスした焦がしバターパスタ。そして、凄い伏兵が潜んでいた。
焦がしバターパスタ(麺つゆ)の材料
- バリラ1.6mm:100g
- 麺つゆ(3倍濃縮):大さじ1
- カルピス社のバター:15g
- ニンニク:1片
- レモン汁:小さじ2
- 黒胡椒:仕上げ
- 水:300cc
パスタはなんでもいい。主役は麺つゆとバターだが欠かせないのがレモン汁。ポッカレモンでも本物のレモンを搾ってもいい。レモンの酸味が乱入することで一気に別次元の旨さがくるぅぅぅ。信じて試してみてほしい。
焦がしバターパスタ(麺つゆ)のレシピ
- みじん切りのニンニクを炒める
- 麺つゆと水を入れてパスタを茹でる
- 塩を足してパスタを皿に盛っておく
- バターを焦がしてレモン汁を加える
- パスタの上に焦がしバターをかける
- チーズを削って胡椒をヌートバー
みじん切りにしたニンニクをオリーブオイルで炒める。最初は強火。沸騰したら弱火に落として4〜5分じっくり炒める。
ニンニクがボディビルダー色になったら水300ccと麺つゆ大さじ1を入れて強火で沸騰させる。
麺を中火くらいで表示時間プラス2分で茹でる。
水分がなくなったら水を足す。ここで味を見て物足りなかったら塩を足す。
味を決めたらパスタはお皿に盛っておく。
フライパンでバター15gを焦がす。キャラメリゼする。放置プレーではなく、常にフライパンを回しながら。映画『パラサイト』と同じ時計回りで。
こんがり恋い焦がれたら火を止めてレモン汁を小さじ2杯分くらい入れる。酸っぱいものが好きな酸キストはもっと入れてもいい。
スタンバイしておいたパスタに焦がしバターをかけ、チーズを削って胡椒をヌートバー。最強の背徳の焦がしバターパスタ完成。
麺つゆパスタはこちらもお試しあれ。
他のバターパスタ(パスタ・アル・ブッロ)
パスタビアンカ
パスタは道具と調味料にこだわれば美味しさが界王拳
最後までご覧いただき、あリガトーニ。