『カリオストロの城』と同じく70年代の名作映画が『ゴッドファーザー』。劇中で幹部のクレメンザ(リチャード・カステラーノ)がマイケル(アル・パチーノ)にミートボールパスタのレシピを伝授する。ミートボールパスタは名作映画の2つを魅了してきた。泥棒とマフィア。なぜか犯罪者を虜にするらしい。
帝王学と愛のパスタ
ゴッドファーザーのパスタとは、トマト缶とミートボール缶を使ったパスタ。大人数に料理を振る舞うときの時短レシピ。これがコルレオーネ家の帝王学。客人を手作りのパスタでもてなす。そして忠誠を誓わせる。パスタは偉大なり。ゴッドファーザーのパスタで大事なのが隠し味の砂糖。絶対に入れるべし。甘くなってしまうが、これぞコルレオーネ家の愛のパスタ。なぜなら砂糖を入れることで子どもが食べやすくなるから。ゴッドファーザーは愛の映画。クレメンザがいかにファミリーを愛していたか。やさしさに感動する。
あるでん亭ゴッドファーザー
ちなみに新宿あるでん亭の夏限定メニュー『ゴッドファーザー』は、ウニとアーモンドのトマトパスタで映画とは何の関係もない。
ゴッドファーザーのミートボールパスタ
まずはショートパスタで作るゴッドファーザーのミートボールパスタ。ゴロゴロしたミートボールのパスタはショートパスタが合う。今回使ったのはS字カーブのようなカサレッチェ。なぜならシチリア生まれのパスタだから。ちなみに新宿のマルエツにはカサレッチェが売っていた。カルディにもあるし、まあまあ日本でも輸入されている。
手作りのパスタ「カサレッチェ」
S字カーブの形をしたショートパスタ「カサレッチェ」。casarecceと書き「カザレッチェ」とも呼ばれる。イタリア南部シチリア州の伝統ショートパスタ。イタリア語で「家庭の」「手作りの」という、やさしくなれるショートパスタ。ファミリーを大切にするコルレオーネ家にピッタリ。できればゴッドファーザーのパスタはカサレッチェで食べて欲しい。
ゴッドファーザーのミートボールパスタの材料
- カサレッチェ:100g
- ニンニク:2片
- ミートボール:1パック
- ソーセージ:4本
- コッポラ社のトマトソース:150cc
- トマトペースト:大さじ1
- 赤ワイン:30cc
- 砂糖:小さじ2
- イタリアンパセリ:少々(あればでOK)
ミートボールはなんでもOK。今回は新宿のマルエツに売っていた鶏肉団子にした。クレメンザは缶詰のミートボールを使っていたが日本に無い。そしてトマトソース。ゴッドファーザーのミートボールパスタこそコッポラ社のトマトソースの出番(映画ではトマト缶)。クレメンザはさらにトマトペーストを加える。面倒くさいがマフィアの掟に従おう。ちゃんとミートボールから作りたい人はカリオストロのミートボールパスタを参考に。
ゴッドファーザーのミートボールパスタのレシピ
- ニンニクをみじん切り
- ニンニクをオリーブオイルで炒める
- パスタを茹ではじめる
- トマトソースとトマトペーストを煮込む
- ミートボールとソーセージを入れる
- 赤ワインと隠し味の砂糖を入れる
- 茹でたパスタを混ぜて皿に盛る
- イタリアンパセリの銃弾を降らせて完成
ニンニクはみじん切り。ソーセージは食べやすい大きさにテキトーにカット。
ニンニクをオリーブオイルで炒める。最初は強火で、シュワシュワに沸騰したら弱火に。ここからパスタを茹ではじめる。
ニンニクがマフィア色に色づいたらトマトソースとトマトペーストを入れる。火は中火。写真よりニンニクはしっかり炒めたほうがいい。このときはフライング・ゲットしてしまった。クレメンザ曰く、トマトペーストはくっつかないようにサッと混ぜる。
トマトソースがブクブク沸騰したらミートボールとソーセージを沈める。
よく混ぜたら赤ワインと隠し味の砂糖を入れる。ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は麻薬取引を禁じている。ミートボールパスタでは砂糖が麻薬のようなもの。魔法の白い粉。躊躇せず入れよう。
カサレッチェが茹で上がったらトマトソースとよく絡め、火を止めてイタリアンパセリの銃弾を降らせる。ソニーが殺された時のように蜂の巣にする。
お好みでオリーブオイルを回しかけて完成。ゴッドファーザー愛のテーマを流しながら食べよう。あなたの家がシチリアに変わる。カヴァレリア・ルスティカーナが流れる。
ゴッドファーザーのミートボールパスタの食材
ゴッドファーザーのミートボールパスタ(ロングパスタ)
続いてはロングパスタのバージョン。そしてクレメンザと同じくトマト缶を使う。ただし、丸パクリは問屋がおろさない。砂糖ではなく胡椒たっぷりでいく。クレメンザのパスタは甘くて子どもでも好きな味にしているので、グッとスパイシーにする。邪道。クレメンザに殺されるかもしれないが美味しければ正義。
ゴッドファーザーのミートボールパスタの材料
- ブカティーニ:100g
- ニンニク:2片
- ミートボール:1パック
- ソーセージ:4本
- カットトマト缶:200cc
- トマトペースト:大さじ1
- 赤ワイン:30cc
- 胡椒:銃弾くらい死ぬほど
- グラナ・パダーノ:なくてもOK
パスタはなんでもいいが、男らしくぶっといブカティーニにした。
トマト缶はホールでもOK。砂糖の代わりに黒胡椒をたっぷり使うのがポイント。
ゴッドファーザーのミートボールパスタのレシピ
ゴッドファーザーといえば「愛のテーマ」が有名だが、最も素晴らしいのは「移民のテーマ」。ゴッドファーザーPart 2でビトーが自由の女神を見るときに流れる。そもそもゴッドファーザーはPart 2が最高傑作であり、1はイントロに過ぎない。Part 2を見たことない人は今すぐ見よう。
- ニンニクをみじん切り
- ニンニクをオリーブオイルで炒める
- トマト缶とトマトペーストを煮込む
- パスタを茹ではじめる
- ミートボールとソーセージを入れる
- 赤ワインと胡椒を鬼のように入れる
- 茹でたパスタを混ぜて皿に盛る
- グラナパダーノの銃弾を降らせて完成
ソーセージはテキトーに斜め切り
みじん切りにしたニンニクがボディビルダー色になるまで弱火でじっくり炒める。
トマト缶200gとトマトペースト大さじ1を入れる。トマト缶の水分が飛んで煮詰まってきたらパスタを茹でる。
ミートボールとソーセージを投入。よく混ぜる。
赤ワイン30ccと黒胡椒の銃弾を降らせまくる。
茹でたブカティーニを入れて1分ほど混ぜる。汁気が少なければ茹で汁を足す。
お皿に盛ってグラナパダーノの銃弾を降らせて完成。お好みでオリーブオイルを。
ゴッドファーザーのミートボールパスタの食材
カリオストロの城のミートボールパスタも作ろう
ゴッドファーザーのミートボールパスタを極めたら、カリオストロの城のミートボールパスタも作ろう。ルパンと次元がパスタ戦争を繰り広げた伝説のミートボールパスタ。イタリアの風を感じながら、食卓を彩ってほしい。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。