人間、誰しもブランドに弱いもの。ディオールとかダンヒルとかナイキとかRayBanが好きだ。パスタにおいては日本人の中で「生パスタ信仰」がある。生パスタと書かれているだけで美味しそうな、格が高そうなイメージが日本列島を覆っている。知っているようで知らない、生パスタと乾燥パスタの違い、そして生パスタの冷凍食品の傑作『冷凍日清もちっと生パスタ』を紹介。
生パスタとは?乾燥パスタとの違い
生パスタとは主に小麦粉と卵を練り合わせ生地を練り上げ、手延べや機械で伸ばして切り出したもの。乾燥せずに、そのまま茹でて食べる。生パスタ=生で食べるという誤解はあるが、茹でる。乾燥しないので水分が豊富で、食感がモチモチ。バリカタのアルデンテに対し、バリやわのベンコッティ。茹で時間も短く、賞味期限も短い。冷蔵しないといけないお嬢様タイプのパスタ。
生パスタの発祥と起源
生パスタの元祖は紀元前のエトルリア文明に作られた「テスタロリ」の説が有力。水、小麦粉、塩で調理するパンケーキに近い。「パスタのいとこ」とも呼ばれる。
現在の生パスタの起源は、アドリア海に近い中北部のエミリア・ロマーニャ州。ボローニャやパルマがある。小麦や卵が豊富にあり、すでに中世には学生たちが食べる手軽で栄養価の高い料理として生パスタが普及。当初は手延べで作る伝統的な「タリアテッレ」が主流だったが、19世紀になると機械で作られるパスタが広まった。
乾燥パスタとの違いは食感
生パスタと対照に乾燥パスタは生地を練り上げた後、乾燥させて水分を飛ばすので生地が硬くなる。茹で上がったパスタは生パスタのようにモチモチとした食感ではなく、コシがあって噛み応えが良くなる。どちらが良い悪いではなく、ぶっちゃけ好みの違い。
飲食店で生パスタが多い理由
生パスタは作るのに手間がかかり、家庭向きではない。そのため、特に日本人は「生パスタ信仰」があり、飲食店で食べる特別なものであると浸透している。飲食店で生パスタを重宝するのは茹で時間が短いから。
- 生パスタの茹で時間:2分〜4分
- 乾燥パスタの茹で時間:4分〜13分
1日に大量のオーダーを捌く必要のある飲食店では回転が重要になるため、サッと茹でて調理できる生パスタは重宝される。
もし家庭でも生パスタを作ってみようと思う方がいれば、ファビオさんの動画を参考にしてみてください。
冷凍 日清もちっと生パスタ
飲食店は高いし、家で生パスタを作るのも面倒くさい。カルディなどで売っている生パスタは値段が高い。それでも生パスタが食べたい人には、日清さんが作っている「冷凍 日清もちっと生パスタ」がおすすめ。2013年に上京してから料理を始める2019年まで、日清さんの冷凍パスタのお世話になりっぱなしだった。自分でパスタを作るようになってからは遠ざかってしまったが、久しぶりに食べ比べると、まあ美味しい。10年前は198円だったと記憶しているが現在は258円。それでも安いと思うほど美味しい。
生パスタ①クリーミーボロネーゼ
パッケージはこんな感じ。割とスペースを取るので冷凍庫のスペースは空けておきましょう。仕事の合間のランチや仕事終わりに食べようと会社の冷凍庫に入れたら、生パスタだけでいっぱいになり周りの社員から文句を言われた。
調理は超簡単。パッケージを空けて生パスタを取り出し、耐熱の皿に乗せて500Wの電子レンジで5分30秒チンするだけ。ボロネーゼは家庭で作ると1時間近くかかるので、ありがたい。
パスタは麺が主役であることを教えてくれる。モチモチの食感がボロネーゼのソースを飛躍させる。自分でパスタを作ってなかったら仕事の昼休みはヘビーローテーション確実だった。さすが日清さん。いい仕事してます!
生パスタ②濃厚カルボナーラ
みんな大好きカルボナーラ。日本人が選ぶパスタランキングで不動の1位をキープ。コンビニにもカルボナーラは売っているけど500円くらいして高い。基本的にカルボナーラも食材が多く手間もかかるパスタ。簡単に作れる方法もあるので、広角打法。
クリーミーさがちょうどよく、胡椒のパンチも効いている。ほうれん草とベーコンもいい仕事してます。レベルが高い。兜を脱ぐ飲食店もあるのではないか。恐るべし。
生パスタ③トマトクリーム
飲食店のパスタといえばトマトクリームを思い浮かべる人も多い。実は家庭でもビックリするくらい簡単に作れて腰を抜かすくらい美味しく作れるので、ぜひ作ってみて欲しい。材料を買いに行く時間やオフィスなどで食べる場合は日清さんの生パスタで。
安心と信頼の味。和食を食べてるかのような懐かしさ。海老のプリプリも嬉しい。安心したいときに食べるといい。癒される生パスタ。
生パスタ③ジェノベーゼ
実は簡単に作れるけど、ハードルが高いイメージのあるジェノベーゼ。出来合いのジェノベーゼソースを買っても、あまり美味しくないのが残念。できれば家庭で作って欲しいけど、そんな暇がない方は日清さんの生パスタで。
この味が300円未満はコスパ凄すぎ。チンして一瞬の夏。もちろん、バジルから作るジェノベーゼとは風味も別物だが、とにかく美味い。おまけに調理が面倒くさいジャガイモやズッキーニが入っているのが嬉しい。
生パスタ④濃厚トマトソース
アラビアータとまでは行かないが、少し辛味の効いたトマトソース。コンポモドーロに近いか。この味を再現しようと思ったら、ちゃんとしたカラブリア産の唐辛子やトマトソースが必要なので、電子レンジでチンするだけで作れるのはすごい。
スパイスが控えめに効いて、いつの間にか食べ終わっている。一気にもっていかれる。
生パスタ⑤明太子クリーム
最後は和風パスタの王様「明太子」。おまけにクリームもセットになっている。たらこパスタに近い。明太子も処理がちょっと面倒だったり、割と値段がしたりと自分で作るにはハードルが存在する。
さすがにパッケージほどピンクではないが、しっかり明太子の旨味がある。クリーミーな食感が生パスタのモチモチと相性が良い。修二と彰の青春アミーゴ。500円以上する明太子パスタをコンビニで買うなら、圧倒的にコスパ良し。
生パスタ⑥ペペロンチーノ
存在は知っていたが敬遠していた。生パスタとオイル系は相性が悪い。しかも平打ち麺などもってのほか。しかし、食わず嫌いは悪。仮説を検証すべくスーパーで買ってきた。5分後に会おう。
日清さんに土下座案件。ここまで美味いとは。ペペロンチーノと相性が悪いと思ってた生パスタの噛みごたえがニンニクを潰す食感とセッション。さらに相性が悪いと思ってたフェットチーネが素晴らしい仕事。アクセントにトマトソースを加えているから合うのだ。日清さんの手のひらで泳がされた。超気持ちいい。オイル系パスタの障壁をニジンスキーなみの跳躍で超えてきた。しかも199円。風車突入男を超える激安の殿堂。日清もちっと生パスタ最高傑作。買い置きして冷凍庫を埋め尽くして欲しい。
生パスタ⑦サーモンとほうれん草の濃厚クリーム
生クリームが高くて手が伸びにくいクリームパスタ。ほうれん草とサーモンで栄養価も担保。クリームの量が少ないのを、きちんと具材でカバーしている。
ほうれん草とサーモンがクリームと三角関係にならず円満マリアージュ。頑張ってサーモンやホウレンソウを足した企業努力に乾杯。
その他の冷凍日清もちっと生パスタ
生パスタはワインと合わせると最高のマリアージュ
冷蔵の生パスタを使ったスパゲティ
スーパーで売ってる冷蔵の生パスタを使ったスパゲティを2つ紹介。
パスタ・ピアンカ
まずはパスタの原点。イタリアの子どもが最初に食べるパスタ、朝ごはんに食べるパスタ。パスタ・ビアンカ。
パスタ・ビアンカの材料
- 生パスタ:120g
- 青森県産のニンニク:1/2片
- オリーブオイル:7週分
- モティアの塩:茹で用(お好みで)
パスタ・ビアンカのレシピ
- 生パスタを茹でる
- 茹でたパスタを皿に乗せる
- オリーブオイルを回しかける
- ニンニクをすりおろす
ココナッツミルクのキノコパスタ
映画『真夜中のカーボーイ』に着想を得たキノコパスタ。ココナッツミルクを使う。
ココナッツミルクのキノコパスタの材料
- フェットチーネ:100g
- ココナッツミルク:150ml
- カルピス社のバター:20g
- 舞茸:1パック
- エリンギ:1パック
- グラナ・パダーノ:15g
- 黒胡椒:たっぷり
ココナッツミルクのキノコパスタのレシピ
- 舞茸とエリンギを手でちぎる
- キノコをバターで炒める
- ココナッツミルクを煮詰める
- 茹でたパスタを混ぜる
- 火を止めてチーズを削る
- 皿に盛って追いチーズ、胡椒をヌートバー
最後までご覧いただき、あリガトーニ。