アサリの旨味と白ワインの芳醇な香りが溶け合う、シンプルながら奥深いパスタ。オリーブオイルとガーリックが風味を引き立て、アサリの出汁がソースとなる。塩味とコクが絶妙に調和し、素材の力を存分に味わえる洗練された一皿。
ボンゴレ・ビアンコの意味と発祥
ボンゴレ・ビアンコは、地中海沿岸のナポリ発祥の郷土パスタ。誕生時期は定かではなく、かなり古くから親しまれている伝統料理。材料はアサリの酒蒸しだが、代わりにハマグリを使ってもいい。
「ボンゴレ(vongole)」はアサリやハマグリなどの貝類を指す「ボンゴラ(vongola)」の複数形。パスタとしては「spaghetti alle vongole(スパゲッティ・アッレ・ボンゴレ)」と呼ばれる。白ワインベースの「ビアンコ(bianco=白)」に対し、トマトソースを加えたものは「ボンゴレ・ロッソ(rosso=赤)」となる。
ペペロンチーノの先輩
ボンゴレ・ビアンコは、ペペロンチーノの“先輩”ともいわれる。貧しい人々がアサリ(ボンゴレ)を買えず、代わりにニンニクと唐辛子、オリーブオイル、イタリアンパセリだけで作ったのがペペロンチーノの起源とされる説もある。そのため、イタリアではペペロンチーノを「絶望のパスタ」と呼ぶこともある。
ボンゴレ・ビアンコ(魚醤)
貝殻が皿に残るのが嫌なので冷凍の剥きアサリを使う。その代わり、魚醤の旨味をプラスする。
ボンゴレ・ビアンコ(魚醤)の材料
- バリラ1.6mm:100g
- アサリ:80g
- ニンニク:2片
- カラブリア唐辛子:2本
- 白ワイン:100ml
- 魚醤(いしり):小さじ2
- イタリアンパセリ:たっぷり
ポイントは魚醤の旨味を加えること。家になければ、白だしでも普通の醤油でもOK。
ボンゴレ・ビアンコ(魚醤)のレシピ
- アサリを塩水につけて解凍する
- ニンニク、イタリアンパセリをみじん切り
- ニンニク、唐辛子、イタパセの茎を炒める
- アサリを炒めて白ワインで蒸す
- 茹でたパスタ、イタパセ、魚醤を和える
- 皿に盛って残りのイタパセを飾る
アサリを塩水に30分つけて解凍する。
イタリアンパセリを茎と葉に分けてみじん切り。茎は旨味になるので捨てない。
ニンニク、唐辛子、イタパセの茎を炒める。最初は強火で、沸騰したら弱火でじっくりニンニクの香りを引き出す。
アサリを炒めてソースに絡ませる。ここでも全体に塩を振る。
白ワインで蒸す。強火でアルコールを飛ばす。
茹でたパスタ、イタパセの葉の半分、魚醤を小さじ2を和える。味見して薄ければ塩を振る。
皿に盛って残りのイタパセを飾る。美味しいボンゴレ・ビアンコの完成。白ワインのソアヴェや赤ワインのカベルネ・ソーヴィニヨンとも合う。
ワンパンのボンゴレ・ビアンコ(缶詰)
アサリの貝殻の処理が面倒くさい、冷凍アサリの解凍の時間がしんどい、白ワインなんて家にない。でも、美味しいボンゴレ・ビアンコが食べたい。大丈夫。アサリの缶詰がある。ワンパンで美味しいボンゴレ・ビアンコを作れる。
ボンゴレ・ビアンコ(缶詰)の材料
- ディチェコ1.9mm:100g
- アサリ缶詰:1缶
- ニンニク:2片
- カラブリア唐辛子:2本
- 魚醤(いしり):小さじ2
- パセリ:仕上げ
- 水:320ml
ポイントは魚醤の旨味を加えること。なければ、普通の醤油、白だしでもOK。
ボンゴレ・ビアンコ(缶詰)のレシピ
- 潰したニンニク、唐辛子を炒める
- アサリを加えて炒め、火が通ったら取り出す
- 水、塩、魚醤を沸かしてパスタを茹でる
- 材料を戻してよく和える
- 皿に盛ってパセリを散らす
潰したニンニク、唐辛子をオリーブオオイルで炒める。最初は強火、沸騰したら弱火でじっくりニンニクの香りを引き出す。
ニンニクの良い香りが充満してきたら、缶詰のアサリを加えて炒め、火が通ったら取り出す。
水320ml、塩たっぷり、魚醤を小さじ2を沸かしてパスタを茹でる。パスタだけ食べても美味しい状態を作ることがポイント。
パスタが茹であがったら材料を戻してよく和える。味見して物足りなければ、塩や醤油を足す。
皿に盛ってパセリを散らして完成。
最後までご覧いただき、あリガトーニ。