星の数ほどあるレシピの中で、リュウジさんが「最高傑作」と胸を張るのがカルボナーラ。その味に自信を持ち、「世界一おいしい」と断言する。
本来のカルボナーラは、豚の脂で出汁をとるなど、手間も材料もかかるパスタ。しかしリュウジさんは、スーパーやコンビニで手に入る食材だけで“最強のカルボナーラ”を作り上げる。しかも、家計を圧迫する生クリームなど一切使わない。
ノーベル料理賞があったなら、迷わずリュウジさんのカルボナーラに一票を投じたい。そんな究極の一皿。
至高のカルボナーラ
まずは、料理研究家リュウジさんを一躍有名にした伝説のカルボナーラ。ポイントを押さえながら作ったら抜群に美味しい。リュウジさんが世界一おいしいと豪語した理由がわかるレシピ。
リュウジ至高のカルボナーラの材料
- 1.9mmのパスタ:100g
- にんにく:1片
- ブロックベーコン:40g
- カラブリア唐辛子:1本
- 黒胡椒:15粒
- 粉チーズ:30g
- オリーブオイル:大さじ1
- 全卵(Lサイズ):1個
最大のポイントはペペロンチーノの材料を揃えること。ニンニク、唐辛子を欠かさない。ニンニクは多めでOK。リュウジさんが流石なのは、卵黄ではなく全卵にしていること。ペペロンチーノの味が強いので、全卵にすることでマイルドになる。卵はLサイズがなければ、Mサイズの卵を全卵1個+卵黄で。
次のポイントがパスタの太さ。味付けが強いので太麺推奨。1.9mmがなければ、1.7mm以上あればいい。黒胡椒は多すぎるくらいでOK。
リュウジ至高のカルボナーラのレシピ
- 黒胡椒を包丁で砕いておく
- ニンニクをみじん切り、ベーコン細切り
- オイルで炒めて唐辛子を入れる
- 茹で汁を一杯入れ、茹でたパスタを絡める
- 溶いた卵、チーズをよく混ぜる
- お皿に盛って黒胡椒をまぶす
リュウジさんが見事なのは、ホールの黒胡椒を砕くこと。これでペッパーの風味が爆上がりして、本格的なカルボナーラに近づく。
みじん切りしたニンニク、細切りベーコンを炒めて、唐辛子を加える。オリーブオイルが沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火〜中火にして、じっくり炒める。
至高のカルボナーラのレシピが素晴らしいのは、ペペロンチーノをベースにしていること。カルボナーラは本来、豚肉(グアンチャーレかパンチェッタ)の脂を出汁にする豚骨ラーメン。ただし、日本では手に入りにくいので、ペペロンチーノを代わりにすることで、粉チーズの臭みを感じさせず、旨味をプラスできる。
ベーコンとニンニクを炒めている間に、全卵と粉チーズを混ぜる。ここがポイント。めちゃくちゃ、しっかり混ぜること。しつこいくらいでOK。
家庭のカルボナーラが失敗する一番の理由が粉チーズ。熱を入れると固まりやすい。中途半端に混ぜると、ボソボソのカルボナーラになってしまうので、しっかり混ぜること。
パスタが茹で上がる直前になったら、茹で汁をレードル一杯(50cc)入れる。ここも重要なポイント。茹で汁を入れることで出汁の旨味が加わり、なおかつ卵液が固まりにくい。ちょっと多めの茹で汁でOK。
パスタが茹で上がったら、火を止める。そして、ペペロンチーノとベーコンの旨味が入った出汁とよく混ぜよう。混ぜることでパスタの温度が下がるので、卵液が固まりにくく、クリーミーになる。
パスタをしっかり絡ませたら、卵液を入れて、しっかり混ぜる。もし、チーズが固まってしまったら茹で汁を少し足す。
お皿に盛って砕いた黒胡椒を散らして完成。ペペロンチーノの旨味がフュージョンされた至高のカルボナーラの完成。
チェダーチーズのカルボナーラ
次に、リュウジさんが「自分史上最高のパスタ」と豪語するワンパンのカルボナーラ。その決め手は、なんとチェダーチーズ。チーズのグルタミン酸とベーコンのイノシン酸が合わさり、旨味が二重奏を奏でる。たしかに、街で1,000円出して食べるカルボナーラより、正直うまい。これぞバズレシピ。
チェダーチーズのカルボナーラの材料
- バリラ1.6mm:100g
- にんにく:1片
- ベーコン:35g
- オリーブオイル:大さじ1
- 水:350cc
- 味の素:4振り
- チェダーチーズ:40g
- 卵:1個
- 黒コショウ:たっぷり
チェダーチーズを使う発想が見事。さすがリュウジさん。味の素はコンソメやマギーブイヨンで代用可能。個人的にはカルボナーラとは味の素よりマギーブイヨンが最高の相性と思っている。これも好みだが、ベーコンはブロックの太いほうが食感もあって美味しい。最後にアレンジレシピも紹介するので、お見逃しなく。
チェダーチーズのカルボナーラのレシピ
- ニンニクをみじん切り、ベーコン細切り
- オイルで炒めて火が通ったら水を入れる
- 塩、味の素を入れてパスタを茹でる
- 火を止めてチーズをちぎって入れる
- 溶いた卵をよく混ぜ半熟にする
- お皿に盛って黒胡椒をヌートバー
みじん切りしたニンニク、細切りしたベーコンをオリーブオイルで炒める。最初は強火で。沸騰したら弱火に落としてじっくり、ニンニクとベーコンの旨みを引き出す。
ベーコンとニンニクをしっかり炒めたら、水350cc、塩ふたつまみ、味の素4振りを入れてパスタを茹でる。火力は最大強火で。
パスタを茹でている間に全卵を溶いて、チーズをちぎっておく。
パスタが茹で上がったら、火を止めてチーズをちぎって入れる。必ず火は止めること。すでにフライパンがアッツ熱なので、その余熱で十分に溶ける。
溶いた卵をよく混ぜる。ゴムヘラか箸を使ってしっかり混ぜる。
こんな感じにクリーミーに仕上がればOK。味見して薄ければ塩などを足す。
お皿に盛って黒胡椒をヌートバー。家庭でこのクオリティ、正直感動レベル。チェダーチーズの濃厚なコクと、卵のなめらかさ、ベーコンの香ばしさが渾然一体となって押し寄せてくる。これぞ、リュウジさんの真骨頂。バズレシピの名は伊達じゃない。
卵黄とマギーブイヨンで、さらに美味しく
濃厚民族に合う味付けを紹介。リュウジさんのレシピをアレンジ。
- ベーコンは細かくみじん切り
- 全卵ではなく卵黄
- マギーブイヨン1個を加える
今回のカルボナーラはベーコンの食感が必要ない。出汁にするため、細かく刻むのがおすすめ。また、卵黄にすることで、さらに濃厚になって美味しい。
そして、決め手はマギーブイヨン。固形のものを1つ加えるだけで旨味大爆発。
ボッティチェリのように「ヴィーナス誕生しちゃうカルボナーラ」。旨味が界王拳されるので、ぜひリュウジさんと両方ためして欲しい。
虚無ボナーラ(ワンパン)
カルボナーラは手間がかかり、こだわるほど沼にハマる。しかし、時間がないけどチャチャっとカルボナーラを作りたいときに実はめちゃくちゃ簡単に作れてしまう。リュウジさんの虚無パスタ、名付けて虚無ボナーラ。ノーベル料理賞の最有力。
虚無ボナーラの材料・食材
- パスタ(なんでもOK):100g
- ピザチーズ:40g
- 卵黄:1個
- コンソメ:小さじ1/2
- コショウ:適当
1皿98円。騙されたと思って試してみて欲しい。パスタ鍋はいらず、ボウルとフライパンだけでOK。フライパンの中で茹でるリゾッタータ。
虚無ボナーラのレシピ・作り方
- 卵、ピザチーズ、黒胡椒をボウルで混ぜる
- フライパンに水350ccを沸かしコンソメ小さじ1/2、塩でパスタを茹でる
- ボウルの材料を入れて終わり
- 最後に黒胡椒をかける
まじでコレだけ。超簡単カルボナーラ。なのに下手にこねくり回したカルボナーラより美味い。
パスタの七不思議、ストレンジャー・ザン・パラダイス。
スモークチーズのカルボナーラ(ワンパン)
スモークチーズを使うリュウジさんのワンパン・カルボナーラ。ベーコンとスモークチーズは両方とも燻製なので相性が良い。カールスモーキー石井も好きになるパスタ。
スモークチーズのカルボナーラの材料
- ディチェコ1.6mm:100g
- スモークチーズ:40g
- 全卵:1個
- ベーコン:40g
- にんにく:1片
- 水:350cc
- コンソメ:小さじ1
- 黒コショウ:たっぷり
スモークチーズとは燻製にしたチーズのこと。おつまみで愛される。ベーコンも燻製なので旨味の相乗効果になるので買おう。その他の調味料はお好みでOK。麺はディチェコにしたがバリラなどテフロン(つるつる)がいい。
スモークチーズのカルボナーラのレシピ
- ニンニクをみじん切り
- スモークチーズを輪切り
- ベーコンを短冊切り
- ニンニク、ベーコンを炒める
- 水、塩、コンソメを入れて沸かす
- パスタを茹で残り2分でチーズ入れる
- 火を止めて全卵を流し込む
- お皿に盛って黒コショウをヌートバー
ニンニクをみじん切り、スモークチーズを輪切り、ベーコンを短冊切りにする。
ニンニク、ベーコンをオリーブオイルで炒める。最初は強火で、沸騰したら弱火にして香りを引き出す。ベーコン全体に焼き色がついてニンニクの香りが漂ってきたらOK。
水350cc、塩2つまみ、コンソメ小さじ1を入れて沸かす。
沸いたらパスタを茹でる。火加減は強火と中火の間。この間に卵を溶いておく。
パスタの茹で時間が残り2分になったらチーズ入れる。
火を止めて全卵を流し込む。個人的にはパンチが欲しいので、ここでコショウをたっぷり振りたいところ。
お皿に盛って黒コショウをヌートバー。これで完成。
電子レンジで半熟カルボナーラ
リュウジさん、今度はフライパンも使わない。電子レンジで作れてしまうカルボナーラ。しかもスーパーやコンビニで必ず売っているカマンベールチーズを使う。電子レンジで作れるのでゴリラ美味いので、腰抜かすこと間違いなし。
半熟カルボナーラの材料
- ヴォイエロ1.9mm:100g
- カマンベールチーズ:1/2個
- 全卵:1個
- ベーコン:40g
- ニンニク:1片
- オリーブオイル:小さじ2
- コンソメ:小さじ2
- カルピス社のバター:10g
- マリッチャのコショウ:たっぷり
- 水:250cc
何度も書いているように、カルボナーラは太麺。最低でも1.8mm以上はあったほうがいい。ニンニクは無くてもいいけど、無いとパンチが弱いので用意したほうがいい。バターは有塩、無塩どちらでもOK。パスタの太さを変えるなら難しいのが水の量。多すぎるとシャバシャバのカルボナーラになってしまい、味が弱い。
半熟カルボナーラのレシピ
- ベーコンは短冊、ニンニクをみじん切り
- カマンベールチーズを半分カットする
- 耐熱容器にバターと卵以外全部ぶち込む
- 電子レンジで表示時間+3分温める
- 全卵をよくといておく
- バターと卵、コショウと絡める
- 皿に盛って追いヌートバー
ベーコンは短冊切り、ニンニクはみじん切り、カマンベールチーズは半分にカット。
卵とバター以外の材料を耐熱容器に全部ぶち込む。パスタ用がなければ半分に折って入れる。水に材料が浸かるよう少し混ぜる。
電子レンジで表示時間+3分加熱。ヴォイエロの1.9mmは10分茹でなので13分チンする。その間に卵をよく溶いておく。
レンチンが終わったらバターと卵とコショウを混ぜる。ボウルに移すと混ぜやすいが、面倒くさい場合は耐熱容器で混ぜてOK。
皿に盛ったら、たっぷりすぎるほど追いヌートバー(コショウ)。胡椒があるほど旨さが界王拳される。
冷製カルボナーラ
夏に最高最強の冷製カルボナーラ。問答無用の美味しさ。参考にしたのはリュウジさん。材料も作り方も違うので本家の邪道を参考したい方は動画を。
冷製カルボナーラの材料
- カペッリーニ:100g
- ベーコン:35g
- 全卵:1個
- にんにく:1片
- 白だし...大さじ1強
- 黒胡椒:たっぷり
- スモークチーズ:3個くらい
チーズはスモークが余ってたので使ったがベストはパルミジャーノかペコリーノを削る。麺はリュウジさんは1.4mmのフェデリーニを使った。
冷製カルボナーラのレシピ
- ニンニクはみじん切り
- ベーコンを細切り
- スモークチーズを細かく切る
- ベーコン、ニンニクを炒める
- 卵を入れてスクランブルエッグに
- ボウルで白だし、黒胡椒、チーズを混ぜる
- 冷蔵庫(冷凍庫)で冷やしておく
- 1分長く茹でたカペッリーニを冷やす
- ボウルのソースと混ぜる
- 皿に盛ってオリーブオイル、胡椒
ニンニクはみじん切り、ベーコンを細切り、スモークチーズを細かく切る。
ベーコン、ニンニクをオリーブオイルで炒める。最初は強火、オイルが沸騰したら弱火でじっくり炒める。
ベーコン全体に焼き色がついてニンニクの香りも立ったら卵をはる。
この時点で卵をかき混ぜてスクランブルエッグにする。
ボウルに移して白だし大さじ1強、黒胡椒たっぷり、チーズを混ぜる。
冷蔵庫(冷凍庫)で冷やしておく。パスタの聖書のように独り暮らしで大きい冷蔵庫がない場合は氷水につけて冷やすと良い。まいばすけっとで100円で氷が買える。
1分長く茹でたカペッリーニを氷水で締める。ちなみにカペッリーニを茹でるときは塩をちゃんと1.5%以上入れる。塩で茹でるのはパスタが水分だけ吸収してブヨブヨにならないよう、塩も注入して筋肉質にするため。それがアルデンテ。
氷水で締めたパスタをボウルのソースと混ぜる。
皿に盛ってオリーブオイルをひと回し、胡椒をヌートバーして完成。
冷製カルボナーラの道具
卵かけカルボナーラ(変化球)
ちょっと変化球のカルボナーラ。料理研究家リュウジさんの発想はシンプルにして奇想。究極。手間や材料をかけて料理を考えるのも大変だが、同じくらい誰でも簡単に作れるレシピを考えるのは難しい。出汁を尊ぶ日本人の味覚をリスペクトし、和風カルボナーラと呼ぶにふさわしいパスタが誕生した。
卵かけカルボナーラの材料
- バリラ1.4mm:100g
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 味の素:5振り
- かつお節:2g
- 全卵:1個
- カルピス社のバター:10g
- 砂糖:ひとつまみ
卵かけパスタで最も大事なのはスパゲッティの種類。好みはあると思うが、生卵のトゥルトゥルを活かすにはバリラ一択。太さは1.6mmなどお好みで。次に大事なのがバター。麺をコーティングするのでパスタを口に入れた瞬間、最初にバターの味と濃厚接触する。普通のバターでも十分に美味しいが、カルピス社のホワイトバターを使うことでより濃厚に、カラダにピースが実感できる。仕上げのオリーブオイルに理解があるひとなら、バターの大切さも共鳴してもらえるだろう。
卵かけカルボナーラのレシピ
卵かけパスタの調理法はリゾッタータ(フライパンで煮る)。リュウジさんは何度か塩を足していたが、カルピス社のバターがあれば塩は不要だった。塩の量に関しては完全感覚DreamerでOKです。
- フライパンに水320ccを入れて沸かす
- 醤油、みりん、味の素、鰹節、砂糖を入れる
- 沸いたらパスタ入れて茹でる
- 水分が飛んだらバターを入れて混ぜる
- 溶き卵を入れて弱火で半熟にする
- お皿に持ってお好みで七味唐辛子を
フライパンに水320ccを入れて沸かし、醤油、みりん、味の素、鰹節、砂糖を入れる。
沸いたらパスタ入れて強火で煮る。
水分が飛んだらバターを入れて混ぜる。
溶き卵を入れて弱火で半熟にする。
できれば、もっと水分が飛ぶくらいが理想。
お皿に盛って完成。信じられない美味しさ。
味変ドリクスでおすすめは七味唐辛子。
↓↓卵かけパスタの食材↓↓
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パスタの旨みを飛躍させる道具
カルボナーラに使うチーズ特集
最後までご覧いただき、あリガトーニ。