パスタを劇的に美味しくするハーブ。ハーブがあればなんでもできる。一、二、三、ハーブ。パスタの2大ハーブはイタリアンパセリとバジル。 ちなみにパスタを除く料理で世界三大ハーブはローズマリー、セージ、タイム。今回紹介する以外にも和パセリ、ローレル、チャービル、フェンネル、ディルなどがある。パスタとハーブのマリアージュをご覧あれ。
イタリアンパセリ
ハーブの女王。イタリアンパセリとは、地中海沿岸の原産の葉が縮れない平葉のパセリ。イタリア語でPrezzemolo(プレッツェモロ)と呼ばれる。紀元2、3世紀にはあったと言われる。爽やかでクセが強くなくマイルド。熱を加えての風味が落ちにくい。皮肉なことに本国イタリアより日本のイタパセのほうが優れている。日本の茎は柔らく、葉と混ぜても気にならない。むしろ旨味がプラスされる。茎を捨てるなかれ。飾りじゃないのよパセリは、葉葉~by中森アッキーナ
イタリアンパセリを使うパスタ
ペペロンチーノ
ペペロンチーノは代表格で、「イタパセが入っていないものはペペロンチーノと呼ばない」というシェフも多い。
カレッティエラ
日本ではマイナーだが、パスタとハーブの文化、歴史を最も語ってくれるのがカレッティエラ。1900年代のはじめ、食堂で食べるお金がないシチリアの馬車引きが、道端でパスタを茹で唐辛子、ニンニク、チーズ、道沿いに生えたハーブ(イタリアンパセリ)を刻んで和えた。フライパンが要らず、厳しい冬も身体が温まる。シチリアの馬車引きの生活を支えた大事なパスタ。味も10本の指に入る美味しさ。
サルサ・ヴェルデ
イタリアンパセリを1パック丸ごとソースにするサルサ・ヴェルデ。バジルをソースにするジェノベーゼより好きな人もいる。
イタリアンパセリを使わないパスタのほうが珍しいくらいなので、イタパセの魅力を紹介しまくったブログもご覧ください。
バジル
ハーブ王様。イタリアパセリと並ぶハーブの龍虎がスイート・バジル。バジルは英語でイタリア語では「バジリコ」と呼ぶ。イタリア原産と思われているが、インドやマレーシアの熱帯アジア原産で、ヨーロッパに伝わったのは16世紀と歴史は浅い。スイートバジルは育てやすく、トマト、チーズ、ニンニク、オリーブオイルと相性が良いというパスタの最強パートナー。
バジルを使うパスタ
日本ではバジルのパスタ=ジェノベーゼというくらい定番。温パスタも冷製パスタも両方で最強の旨さ。
パスタ・アル・ポモドーロ
パスタ=トマトパスタというイメージがあるほど。最もシンプルなトマトパスタである パスタ・アル・ポモドーロですら、バジルは欠かせない。「イタリア人どんだけパスタ好きやねん」ということがわかる。
ローズマリー
- 用途:肉や魚の臭い消し
- 風味:ほろ苦さと甘い芳香
名前からしてオシャレなローズマリーとは古代ギリシャには使われていた地中海沿岸の力強い香りのシソ科のハーブ。世界三大ハーブの一つとして数えられる。香りの元はピネンやシネオールといった成分。ほろ苦さと爽やかな甘い香りを持ち、料理には肉や魚の臭い消しとして使われる。どこのスーパーでも売ってる乾燥のローズマリーでOK。
ローズマリーを使うパスタ
カッチャトーラ
カッチャトーラとは「猟師風のパスタ」。鶏肉(ウサギ肉)、玉ねぎ、トマト、ハーブ、ビネガー(ワイン)を煮込んだ料理。猟師が持ち帰った鶏やウサギの肉を使い、家で奥さんがトマトやハーブと一緒に煮込んだことから生まれた。ハンティングの仕事の休憩などに狩人が野外で作ることもある。この肉の臭み消しにローズマリーを使う。
普通のトマトパスタにローズマリーを刻んで入れるだけで、イタリアン感が出る。裏技、チート的なハーブとして使える。トマトパスタを作るとき是非に。
オレガノ
パスタの三大ハーブを決めるなら、イタパセ、バジルとオレガノになる。日本では乾燥のものしか売っていないし、イタリア本国のものは高級。古代ギリシャでは「幸福のシンボル」としてオレガノの葉で冠を作った。
バジルと並んでトマトによく合うハーブ。ナポリピッツァはオレガノがないと始まらない。スーパーで売ってる安いものでいいから使って欲しい。
オレガノを使い代表的パスタ
マリナーラ
オレガノ=ナポリ。ナポリのパスタといえばマリナーラとプッタネスカ。マリナーラ(marinara)は「船乗り」の意味。イチローが大活躍したシアトル・マリナーズも「船乗りたち」のチーム。ナポリのトマトパスタは必ずと言っていいほどオレガノを使う。それほど大事なハーブ。
好きなパスタランキングで5本の指に入るプッタネスカ。「娼婦風」という凄い名前の18禁パスタ。でも味は最強にオトナ・レッド。ナポリではアンチョビやオレガノがないとプッタネスカと呼ばない頑固者もいる。
大葉
最後のトリを飾るのは我らが大葉。大葉は「青紫蘇」であり、赤紫色の「赤紫蘇」もある。もともと大葉は中国原産で、縄文時代には日本にあった。歴史は古い。スーパーで100円以下で売っていて2回分くらい使える最強コスパハーブ。
大葉を使うパスタ
どんなパスタでも最後に大葉を登頂させるだけで美味しくなってしまう。魔法のハーブ。大葉久美子よ永遠に。
スパゲティ・バジリコ
今も六本木の「キャンティ」で食べられ、尾崎豊など数々の有名人が愛したスパゲティ・バジリコ。新鮮なバジルが手に入らない時代、大葉もバジルも同じ「シソ科」の植物で味が似ていることからバジルの代わりに使った。
その他のハーブとパスタ
タイムを使うパスタ
世界三大ハーブ。タイムは350種類以上あり、爽やかな香りが魚と相性が良い。乾燥にしても風味が落ちない不死身のハーブ。ELTの『Time goes by』を聴きながらパスタを作ろう。
セージを使うパスタ
世界三大ハーブ。「セージのある家には病人がいない」と言われるほど薬用効果がある「セージ」。ラテン語では「健康、治療」の意味があるほど。料理では肉や魚の煮込みの際の臭み消しや、油っぽさを押さえるために使われる。
その他のハーブパスタ