トマトパスタを作るとき、最も使われるのがトマト缶。コンビニやスーパーで400g100円位で売っている。家計に大助かり。今回はパスタに使うトマト缶とおすすめを紹介する。
トマト缶の種類
生のトマトを加熱した水煮
トマト缶とは「生のトマトを加熱して水煮にしたもの」。トマト缶が登場したのは20世紀と新しい。一説によると実業家フランチェスコ・チリオが世界初のトマト缶を開発したと言われる。ピノキオのトマト缶には「トマトピューレづけ」と書かれている。
ホールトマト缶とカットトマト缶の違い
ホールトマト缶はトマトが丸ごと入ったもの。種も入っておりコレが旨味。食感を嫌って種をとる人は角切りになったカットトマト缶がおすすめ。そこまで味の違いはわからないので食感などお好みでOK。
トマト缶の「クエン酸」は危険?
トマト缶の裏の原材料を見ると「クエン酸」と書かれている。このクエン酸はトマト缶の酸味の主な成分。クエン酸が入っているものほど酸っぱい。ただし、クエン酸は「酸味」としての役割より「保存料」としての仕事のための添加物。別に危険な量ではないので気にしなくていい。ピノッキオのトマト缶にはクエン酸が入っているが、大阪のPONTE VECCHIO(ポンテベッキオ)の山根大助シェフやシェフROPIAさんも愛用している。
トマト缶の善し悪しの見分け方
トマトの塊とジュースの味に差がないものは良いトマト缶。悪いものはホールトマトやカットトマトとトマトジュースの味がバラバラ。プロのシェフでも愛用者が多いピノキオは実を食べてもジュースの部分も同じ味。
酸味を飛ばすは間違い
レシピ本などのトマトパスタで誤解が多いのが、「水分を飛ばして酸味を飛ばす」という説。火を入れて煮詰め水分を飛ばすことで酸味も一緒に成仏し甘味が残ると思われているが間違い。トマトの酸味はクエン酸。科学実験により、水分を飛ばしてもクエン酸は飛ばず、酸味は変わらないと検証結果が出ている。トマトの酸味を抑えるには塩や砂糖、玉ねぎなど他の甘味や旨味を加える。トマト缶を煮詰めて水分を飛ばすのはジュース漬けで薄まったトマト本来の味に戻すため。
おすすめのトマト缶
トマト缶の功労者『ムッティ社』
- 生産地:イタリア・エミリア=ロマーニャ州
- 原材料:トマト、トマトジュース、食塩
- 価格:250円前後
トマト缶の功労者がイタリアのパルマにあるムッティ社。ムッティは今もクエン酸などの添加物を使わず、純真なトマトで製造している。1909年にトマト缶を発売。世界のトマトパスタの文化を育んできた。残念ながら日本のスーパーに並んでもムッティの存在や添加物なしの想いを知らず、有名メーカーのものを手に取っている人が多い。ぜひムッティを買って本物のトマト文化を味わってほしい。
プロの愛用者が多いピノキオ
- 生産地:イタリア・カンパーニャ州
- 原材料:トマト、トマトピューレ、クエン酸
- 価格:250円前後
パッケージが可愛く、味が良いのでプロの愛用者が多いピノキオ。イタリアンのお店に行くと、この缶を見かけることが多い。
そのまま食べてもおいしいホールトマト
- 生産地:イタリア・エミリア=ロマーニャ州
- 原材料:トマト・ジュースづけ(皮むき)
- 価格:386円
小粒なマルツァニーノ種のトマトを使ったトマト缶。缶にある「pomodori」はトマト、「pelati」は皮を剥いた。400円近くする高額。
マルエツ、カスミとマックバリュ関東でしか取り扱いがないので地域限定品。
「そのまま食べてもおいしいホールトマト」という商品名の通り、パクパク食べられる。トマトの酸味がまろやかで苦手な人でも食べられる。一方でリコピン大魔王にとっては物足りないかもしれない。個人的にはムッティやピノキオが好み。
ホールトマト缶のパスタレシピ
スパゲティ・ポモドーロ
「そのまま食べてもおいしいホールトマト」を使った基本のスパゲティ・ポモドーロ。
スパゲティ・ポモドーロの材料
- バリラ1.6mm:100g
- そのまま食べてもおいしいホールトマト缶:200ml
- バジル:5枚くらい(お好みで)
- 塩:ひとつまみ
- チーズ;仕上げ(なくてOK)
パスタはなんでもお好みでOK。チーズやバジルは無しでもいい。
スパゲティ・ポモドーロのレシピ
- オリーブオイルを熱する
- トマト缶に塩を振って煮詰める
- 茹でたパスタを混ぜる
- バジル、オリーブオイルをかける
- 皿に盛って追いバジル、お好みでチーズ
オリーブオイル大さじ2を熱する。
オイルが熱したら、トマト缶200mlを入れて塩を振る。中火から強火で煮詰める。ここから7分茹でのパスタを茹でると良い。
ホールトマトを潰して煮詰める。裏漉しはしなくていい。裏漉しトマトを使いたいなら、最初からトマトピューレを買えばいい。
水分がほとんどなくなるまで煮詰める。5分くらいかかる。
茹でたパスタを混ぜる。
バジルをちぎって入れ、オリーブオイルを回しかける。
皿に盛ってバジルを飾る。
お好みでチーズを削る。その他のレシピはパスタ・アル・ポモドーロを参考に。
その他トマトピューレやトマトペーストなどの違い
トマト缶が活躍するパスタ
ミニトマトを使ったおすすめパスタ
最後までご覧いただき、あリガトーニ。